前年度に得られた、相違点の認定に差がでた原因に関する大まかな類型に基づいて、検討対象Bの精査・分類等を進め、検討対象Bに該当する案件のうち、およそ6割についての精査・分類を行った。これまで分類等を終えた案件の傾向としては、相違点の認定に差がでた原因として、特許発明もしくは引用発明の文言として明記されていない部分の解釈の差が、大きい、との印象を受けている。 また、特許庁と侵害裁判所で、厳密には相違点は同一とはいえないが、単なる表現上の違いにとどまり、実態としては相違点の認定に差がないといえそうな案件も散見された。この表現上の違いは、主に、侵害訴訟が当事者主義であるのに対し、特許庁では職権主義であることの影響が大きいとの印象を受けている。 最終年度となる今年度は、特許庁と侵害裁判所の判断の前後も含めて、未分類案件の分類と、さらなる精査・考察等を進めるほか、成果の公表をしていく。
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