研究課題/領域番号 |
21K01268
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
岩崎 恭彦 三重大学, 人文学部, 教授 (20378277)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 環境賦課金 / 排水賦課金 / 環境保全手法 / 水域保全法制 / ドイツ環境法 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、現在、ドイツで展開されている「排水賦課金」(Abwasserabgabe)の実際の改革論議が、今日なお、伝統的な規制的手法との関係で排水賦課金という手法をどのように位置付けるべきか、という点に関心を寄せていることに注目して、改革のための検討の仕方や議論内容をわが国に紹介し、考察することにある。 研究期間の初年度にあたる2021年度は、排水賦課金の改革論議の全体像、そして今日的様相を、広く全般的に把握するための研究を進展させた。具体的には、ドイツの環境法・環境法学において排水賦課金の制度改革の必要性が広く共有される契機となった、ドイツ連邦環境庁の委託先研究会による2014年公表の鑑定意見書「排水賦課金の改革:更に発展すべき規律の選択肢、シナリオおよび影響」について、その内容理解を図るとともに、分析・検討を行った。加えて、排水賦課金の改革論議に関する現在までの展開を明らかにするため、行政実務関連資料を含め、ドイツの環境法・環境法学に関する近年の文献・資料の収集と整理を行った。次年度以降は、初年度の研究を通じて集積を図ることができたこれらの研究の基礎資料をもとに、分析・検討を本格化させるとともに、更に必要な文献・資料の収集と整理を進めていきたい。 また、ドイツの環境法・環境法学についての研究とともに、関連する日本の環境法・環境法学に関する文献・資料の収集と検討を進めた。そして、主に日本の国内環境法に関する章・節の分担執筆を担当した環境法のテキストが本年度に刊行された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ドイツおよび日本の環境法・環境法学に関する学術文献と行政資料の収集と整理は、おおむね順調に進めることができ、これによって本研究の基礎となる資料の集積を図ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降は、初年度の研究を通じて集積を図ることができた本研究の基礎資料をもとにして分析・検討を本格化させるとともに、更に必要な文献・資料の収集と整理を進めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由):新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受けて、出張を伴う文献・資料の収集を差し控えていたため。 (使用計画):文献・資料の更なる収集および成果発表に使用する予定である。次年度以降は、文献・資料の収集方法において、出張を伴わない収集のウエイトを一層大きくすることを含め、状況に応じて計画的に研究を進めていきたい。
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