| 研究課題/領域番号 |
21K01271
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| 研究機関 | 東京造形大学 |
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研究代表者 |
村上 画里 東京造形大学, 造形学部, 准教授 (70597351)
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| 研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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| キーワード | 意匠権 / 商標権 / 権利調整 / 登録要件 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は、意匠権と商標権の抵触関係について考察することを目的としている。
本研究においては、令和元年意匠法改正により、建築物と内装デザインも保護対象と加わったことにより、意匠権と商標権による重複的な保護が可能となった状況が増えた。また、グレースピリオドが1年に延長されたことでライフサイクルが短い商品の意匠登録が増えることも予想される。
そこで、本研究では、商標権と意匠権の両権利による保護が可能であるとして、商標登録と意匠登録の登録要件の意義の再確認・見直しの必要性の有無、同一物について意匠権と商標権が併存する場合の権利調整方法、既存の規定で十分か否かを検討していくものである。
令和２年度は、商標登録要件の側面から、意匠権と商標権が重複的に保護される場面を抽出し、どのような場面で両権利による重複的保護が認められるのか分析を行った。分析にあたっては、裁判例、論文等の文献収集、J-PlatPatによる情報検索結果などを参照した。
以上の検討結果については、日本知財学会学術研究発表会(一般発表)において「デザインについての商標権と意匠権の競合」というタイトルで報告し、セッションに参加した弁理士等実務家から意見・助言を受けた。
年度の後半においては、外国法と比較研究を行うために、文献の収集を行った。文献の素読まで済ませて、次年度の研究に移行することを計画していたが、検討対象として調査する欧州地域において、以前の科研費プロジェクトで調査した後に法令改正があったため、本研究に影響がないか確認が必要になった。そのため、本年度は、必要文献と必要箇所の抽出のみ完了させ、外国法との比較研究自体は今年度実施することはできなかった。実施できなかった部分を含めて次年度は引き続き研究を継続し、意匠権と商標権が併存する場合の調整のあり方の研究の研究を進めていくことを計画している。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
外国法との比較研究に着手できなかったため、計画より研究が遅れている。
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| 今後の研究の推進方策 |
今年度は、昨年度日本財学会にて報告し、実務家等から得た助言やその後の研究によって得られた知見に基づき論文を執筆すること、昨年度に着手できなかった外国法との比較研究に着手することを計画している。
論文については、2023年3月末の刊行に向けて、これまで収集した文献等を見直し、新たに疑問として浮上した事項等を中心に論じるものとすることを予定している。
外国法との比較研究に関しては、以前の科研費プロジェクトにおいて研究した資料の利用が可能であることを見込んでいたが、EUなどにおいて法令改正が行われたために新たに調査が必要となった。そのため、昨年度中に実施できたのは、研究に必要部分の抽出作業のみになってしまった。本年度は、その素読作業を進め、法令・判例の分析を継続する。
もともと研究年度3年目は研究成果総まとめとしてを公表することを計画していたが、研究の進捗が思わしくない場合は、2023年度の半年程度を調査に充て、残りの期間論文や学会報告のような形で成果発信できるように努めたいと考えている。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
学会出張・研究会出席のための旅費を見込んでいたが、新型コロナウイルス感染症の影響で開催中止やオンライン開催となったため、旅費の使用ができなかった。外国書籍についても、新型コロナウイルス感染症の影響で発送・納品に時間を要する事態となり、一部しか入手できてなかったものもある。
次年度使用額の予定としては、書籍の購入と出張が可能な状態になればその旅費とすることを予定している。
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