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2023 年度 実施状況報告書

著作権法制度と追及権の整合性

研究課題

研究課題/領域番号 21K01274
研究機関山口大学

研究代表者

小川 明子  山口大学, 国際総合科学部, 教授 (90530593)

研究分担者 末宗 達行  金城学院大学, 生活環境学部, 准教授 (80822254)
高林 龍  早稲田大学, 法学学術院, 名誉教授 (90277765)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード追及権 / 美術の著作物 / 著作権法制度
研究実績の概要

本研究は「著作権法制度と追及権の整合性」について検討することを目的としている。初年度(2021年)に土台固め、2022年度は「美術をめぐる著作権の保護」について検討が行われた。
3年目となる2023年度においては、まず、末宗達行研究分担者が、著作権法制度研究の一環として、「商標の剥離抹消行為の規制をめぐる一考察ーイギリス法を手掛かりとして」を執筆した。この論考は、イギリス法においては、逆パッシングオフが著作者の権利を保護する一手段として用いられる場面があることから、逆パッシングオフが対象とする商標の剥離抹消行為に関する状況を整理し、日本法との比較検討を行ったものである。
小川明子研究代表者においては、2023年度内に2回の追及権セミナーを開催するに至った。2023年4月に開催されたセミナーは、追及権の現状について研究代表者が単独で講演した。2023年11月のセミナーでは、美術家を招聘し、追及権について議論した。第二回目のセミナーには、日本芸術院会員(日本画)福王寺一彦氏、同会員(工芸)であり元文化庁長官の宮田亮平氏にご登壇いただき、美術と継承といった観点からご講演を賜った。山口大学名誉教授である菊屋吉生氏には美術の解説を頂いた。そして、研究代表者である小川明子が芸術家と追及権について総括した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

これまでの研究期間内に、著作権法制度の検討を継続すると同時に、追及権に係るセミナーを開催している。(2023年4月25日、山口大学知的財産センター主催 第2回アートと知財セミナー「追及権の現状」)(2023年11月14日、山口大学知的財産センター主催 第5回アートと知財セミナー「芸術家と追及権」)特に、第2回目のセミナーにおいては、自身が著名な美術家であると同時に、父あるいは祖父もまた美術家であり、その遺族としての著作物に対する考え方についても議論することができた。美術という特殊分野における著作者保護を目的とした追及権制度理解の上では、非常に有益なセミナーである。
2024年度にも、本研究の総括としての追及権セミナーを企画している。加えて、本年度中に、日本美術家連盟および大阪工業大学で、それぞれ追及権セミナーに登壇するよう招聘依頼を受けており、当初予定したよりも多くのセミナーの開催により、当初の計画以上の進展であると考える。

今後の研究の推進方策

ニュージーランドでは、2023年8月30日にResale Right for Visual Artists Act 2023が制定され、2024年12月1日をもって、追及権制度が施行される。現時点で最も新しく法制度が整った国として、当面はニュージーランドの法制度を研究し、その他の国との比較を行う。そのうえで、我が国の導入を視野にいれた追及権制度と著作権の整合性について検討を行いたい。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍により、出張予定が遅れている。そのため、海外出張に対する計上予算が未使用となっていた。今後、海外出張の必要性当を検討すると同時に、セミナー等の更なる開催のための謝金等に使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 商標の剥離抹消行為の規制をめぐる一考察ーイギリス法を手掛かりとして2024

    • 著者名/発表者名
      末宗 達行
    • 雑誌名

      特許研究

      巻: 77 ページ: 33-51

    • 査読あり
  • [学会発表] 追及権の現状2023

    • 著者名/発表者名
      小川明子
    • 学会等名
      山口大学知財センター主催 第2回アートと知財セミナー
  • [学会発表] 芸術家と追及権2023

    • 著者名/発表者名
      小川明子
    • 学会等名
      山口大学知財センター主催 第5回アートと知財セミナー

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公開日: 2024-12-25  

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