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2021 年度 実施状況報告書

適格消費者団体の差止請求における正統性確保と機能拡充

研究課題

研究課題/領域番号 21K01281
研究機関成城大学

研究代表者

町村 泰貴  成城大学, 法学部, 教授 (60199726)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード消費者法 / 適格消費者団体 / 差止請求権 / 消費者契約法
研究実績の概要

2021年度は、コロナ禍のため国内外の出張に制約があり、現地調査を要する研究は中断を余儀なくされた。
その一方で、適格消費者団体が母体となる特定適格消費者団体の被害回復関係業務について、いわゆる消費者裁判手続特例法の見直しが進み、年度末には改正法案が作成された。その過程において、適格消費者団体全体をも含めた公的な支援のスキームが議論の俎上に登り、法案でも具体化が図られている。こうした状況変化の中で、本研究の適格消費者団体の訴権行使に関する基本的な制度論や実務運用についても再検討を要する部分があり、研究に協力していただく研究者および実務家との意見交換を、遠隔会議システムにより行った。
また、適格消費者団体の差止請求権の訴訟外または訴訟上の行使について、事例集積と分析を行う作業も2021年度に着手した。適格消費者団体の数も22団体となり、訴訟提起の件数はそれほど多くないとはいえ、訴訟外の申入れに基づく差止請求権の実現事例は膨大な数に上る。消費者庁が法に基づいて公表している事例は全体の一部に過ぎないので、各団体の公表資料に基づいて調査を行い、場合によっては協力を得られる団体に直接インタビュー等をする必要がある。こうしたことから、事例収集自体も同年度中は未完了であった。
他方、フランスの対応する制度であるグループ訴権の実情と改正動向を調査し、これと日本法との比較検討を行う作業については一応の目処が付き、残るはフランスの消費者団体との意見交換を実施するだけとなっている。
意見交換の結果や事例集積と分析の結果を中間的に取りまとめて、あらためて各地の適格消費者団体の協力を依頼して、より詳細な事実関係の調査分析を次年度の課題としている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

関係する法律の改正作業が予想以上に進行し、そのフォローが必要であったこと、またコロナ禍のため国内外の出張が事実上困難となり、事実調査を公表資料に基づいて行うにとどまったため、補充が必要なものにとどまっていることによる。

今後の研究の推進方策

適格消費者団体の財政や組織面での基盤についての調査を、法改正の影響も踏まえながら取りまとめるとともに、現在進行中の事例調査を着実に実施する。またコロナ禍の状況が許せば、国内各地とフランスの消費者団体に出張しての調査を実施し、公表資料に基づく調査結果のさらなる充実を図る。

次年度使用額が生じた理由

2021年度の支出予定であった旅費やその他の経費がほとんどコロナ禍の影響で支出できなかった。
次年度はやり残した出張を伴う調査とその際の専門知識の提供、情報提供等の人件費支出を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] EUにおけるデジタルプラットフォーム規制の概要2021

    • 著者名/発表者名
      町村泰貴
    • 雑誌名

      NBL

      巻: 1209 ページ: 113-118

  • [図書] 民事手続の中の情報-情報化のジレンマに直面する手続法2021

    • 著者名/発表者名
      町村泰貴, 張子弦, 長谷部由起子, 酒井博行, 田邊誠, 上向輝宜,長島光一, 佐藤鉄男, 橋本誠志, 杉本純子, 鶴巻暁, 稻垣美穂子, 長屋幸世
    • 総ページ数
      371
    • 出版者
      民事法研究会
    • ISBN
      9784865564754

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公開日: 2022-12-28  

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