研究課題/領域番号 |
21K01294
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
清原 和之 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 准教授 (10757264)
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研究分担者 |
小林 准士 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 教授 (80294354)
毎熊 浩一 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 教授 (50325031)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 公文書管理 / アーカイブズ / 評価選別 / 市民参加 |
研究実績の概要 |
本科研では、国内外の自治体における評価選別事例の検討を進めることを調査研究の柱の一つとしているが、新型コロナウィルス流行の影響により、感染予防対策として国や地域間の移動が制限され、調査対象としていた先方機関への負担も増すことから、現地への訪問はほぼ不可能であり、当初計画していたヒアリング調査等は断念せざるを得なかった。ただし、科研メンバー間では相互に議論を重ね、可能な範囲で研究活動を進めることができた。 まず、初年度であったため、本科研メンバー間で調査研究の目的と役割分担を確認し、課題の整理と研究計画の見直し等を検討する会合の機会を設けた。そして、個別自治体の事例調査を行う前段階として、先行研究の整理を進めるとともに、国内の公文書館等を設置している自治体に対して、評価選別に関するアンケート調査を実施した。また、メンバー各自では、評価選別や市民参加に関する理論や方法論の検討を進めていくための研究文献の収集に努めた。 令和3年度の成果として、自治体へのアンケート調査の結果をまとめ、研究会で報告を行った。この研究会報告はオンラインであったが、参加いただいた方から貴重な質問や指摘を得ることができ、今後の調査研究を進めていく上でも有益な機会であった。この基礎的調査の成果をもとに、次年度以降は、新型コロナの流行状況も勘案しつつ、可能な範囲で国内外の自治体での実態調査、および、理論・方法論の検討を進めていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、自治体における公文書の評価選別を市民参加の視点から再検討することを目的とし、(1)国内外の自治体の評価選別事例の調査・研究、(2)評価選別と市民参加に関わる理論と方法論の再検討を主な課題としている。この2つの課題のうち、とりわけ(1)の調査を進めていくことが本科研全体のプロジェクトのなかでも中心的な部分となるが、新型コロナウィルス感染症の流行下であるため、予定通りに遂行することができていない。その代替として、令和3年度は、国内の公文書館設置自治体へのアンケート調査を実施した。上記(2)については、メンバー各自で研究文献を収集し、個別研究の推進に努めた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、地方自治体の公文書管理の現状を調査検討し、市民共有の知的資源としての公文書がより適正に管理・保存・利活用されるための評価選別のモデルを提示することを目標としている。そのため、新型コロナ流行の先行きは未だ不透明な状況であるが、計画していた調査地を見直しつつ、近隣地域の自治体など、実施可能なところから調査活動を進めていく予定である。また、本研究のもう一つの柱である市民参加の視点からの理論と方法論の検討については、本科研メンバーは分野は異なるが所属機関は同じであるため緊密な連携を図っていくことが比較的容易であり、前年度に引き続いて、共同での議論・検討の機会を設けながら研究を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は新型コロナウィルス流行の影響で、当初計画していた旅費の支出ができず、その分の差引額が生じた。差額分は次年度に繰り越し、前年度支出できなかった分を次年度分と合わせて旅費として使用することを計画している。
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