研究課題/領域番号 |
21K01294
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
清原 和之 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 准教授 (10757264)
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研究分担者 |
小林 准士 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 教授 (80294354)
毎熊 浩一 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 教授 (50325031)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 公文書管理 / アーカイブズ / 評価選別 / 市民参加 |
研究実績の概要 |
本科研では、国内外の自治体における評価選別事例の検討および住民視点を取り入れた評価選別の理論及び方法論の検討を進めることを調査研究の課題としている。令和3年度には、国内の公文書館等を設置している自治体に対して、評価選別に関するアンケート調査を実施した。令和4年度は、このアンケート調査結果の成果をもとに、熟議民主主義やミニ・パブリックスの実践事例を参照して、公文書の評価選別に市民が関わることの意義やその実施のあり方、具体的な適用可能性について、メンバー間で意見交換を行った。また、国内自治体の評価選別事例の調査に関して、先進事例の一つである中国地方の自治体及び関連する事業を行っている大学を訪問し、ヒアリング調査を行った。 令和5年度は、過去2か年の成果に基づき、主に、海外のアーカイブズ機関を設置している自治体についての調査を行った。対象としたのはカナダのブリティッシュ・コロンビア州内の各自治体(BC州、ビクトリア市、バンクーバー市、等)で、各機関での評価選別の実施状況、および、住民参加の取り組みに関わるヒアリング調査および視察を行った。 次年度は、候補対象となっていた国内の自治体を中心に、評価選別の実施状況調査を行ったうえで、最終年度に当たるため、これまでの国内外の自治体の評価選別および市民参加の事例調査結果を取りまとめ、自治体における評価選別の適切な実施のあり方や住民視点の導入のあり方等に関して検討を行い、本研究の最終的な成果報告を行えるよう取り組む。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、自治体における公文書の評価選別を市民参加の視点から再検討することを目的とし、(1)国内外の自治体の評価選別事例の調査・研究、(2)評価選別と市民参加に関わる理論と方法論の再検討を主な課題としている。 この2つの課題のうち、(1)については、令和5年度は海外の候補地の一つとしていたカナダでの評価選別事例および市民参加の取り組みについての調査を行うことができた。また、(2)についても、メンバー各自での研究文献の収集と、勉強会の開催による意見交換、課題の検討を進めることができた。 ただし、調査対象としていたが、未実施となっている自治体が2,3残っており、また、調査結果の取りまとめにも予想していたよりも多くの時間を要したため、充分な精査・検討が行えておらず、当初計画よりは進捗が遅れる結果となった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、令和5年度を最終年度としていたが、令和6年度まで期間を延長した。調査対象としていた自治体が複数あるが、計画の見直しを行い、研究目的に照らして、対象とする自治体を絞って、可能な範囲で調査を実施していく予定である。 また、これまでの調査結果の取りまとめを行い、各分担での研究を進め、共同での議論・検討の機会も複数回設けて、最終的な成果を取りまとめられるよう、取り組んでいくこととしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画していた国内調査が未実施となったため当該旅費の支出ができず、その分の差引額が生じた。差額分は次年度に繰り越し、予定していた旅費として使用することを計画している。
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