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2021 年度 実施状況報告書

民主主義指標の統合ならびに潜在的概念構造の分析

研究課題

研究課題/領域番号 21K01303
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

粕谷 祐子  慶應義塾大学, 法学部(三田), 教授 (50383972)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード民主主義 / 測定 / 政治体制
研究実績の概要

本研究は、現在公開されている多数の民主主義指標に対し、統計学・機械学習の手法を用いて、より精度の高い統合指標の構築、および、各種指標の背後にある構成要素の抽出を行って政治体制研究のインフラストラクチャーの充実に貢献しようとするものである。
これまで、ポリティ指標、フリーダムハウス指標をはじめとして多くの民主主義指標が開発されてきたが、これらは次のような問題点を抱えている。(1) 民主主義概念を構成する様々な要素のうち、各指標がどの側面を特に強調しているのかが判断しにくい、(2) 更新が停止している指標が多いために指標の多様性維持が困難である、(3)政治体制の下位類型を概念に即した形で定量化できていない、の3点が挙げられる。
本研究では、これら3つの問題状況を統計学および機械学習のアプローチを用いて改善することを目指す。具体的な分析内容として、以下を計画している。第1に、現在公開されている多数の民主主義指標を組み合わせて用いることで、より信頼性の高い統合指標を開発する。第2に、V-Demデータベースをもとに多次元の潜在要因の抽出を行うことによって、それぞれの民主主義指標としての特徴を明確にする。第3に、自由民主主義・選挙民主主義・選挙権威主義・閉鎖的権威主義という政治体制の4分類に関し、これを概念的に捉えて適切に測定する指標およびデータベースを作成する。
本研究の成果は、英語の論文として公刊するだけでなく、オープンアクセスのデータベースとして公開し、これを本申請研究の終了後も適宜更新することで、実証的政治研究の発展に貢献する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上記の具体的研究内容のうち第2のものに関して分析を進め、セミナーで報告した。また第3の活動内容に関して、その前段階のもの(民主主義と非民主主義を概念上分ける閾値を開発し、そのデータベースを作成)をContemporary Politicsに出版した。

今後の研究の推進方策

上記の具体的研究内容の第1のものに関しては、その後検討を進めた結果、V-Demデータベースを上回るものを作成するのは困難であろうという結論に至り、その代わりとして、V-Dem 指標における一部の国の民主主義スコアが地域研究者の理解と大きく異なるのはなぜかという問題設定の研究活動を今年度行う予定である。第2、第3のものについては、変更はない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] The shift to consensus democracy and limits of institutional design in Asia2022

    • 著者名/発表者名
      Kasuya Yuko、Reilly Benjamin
    • 雑誌名

      The Pacific Review

      巻: - ページ: 1~27

    • DOI

      10.1080/09512748.2022.2035426

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Re-examining thresholds of continuous democracy measures2021

    • 著者名/発表者名
      Kasuya Yuko、Mori Kota
    • 雑誌名

      Contemporary Politics

      巻: - ページ: 1~21

    • DOI

      10.1080/13569775.2021.1993564

    • 査読あり
  • [学会発表] 民主主義を測る2022

    • 著者名/発表者名
      粕谷祐子・森浩太
    • 学会等名
      東京大学社会科学研究所全所的プロジェクトセミナー
    • 招待講演

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公開日: 2022-12-28  

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