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2022 年度 実施状況報告書

放射性廃棄物問題と現代デモクラシー論/日欧の最終処分場立地をめぐる理論・実証分析

研究課題

研究課題/領域番号 21K01304
研究機関工学院大学

研究代表者

小野 一  工学院大学, 教育推進機構(公私立大学の部局等), 教授 (80306894)

研究分担者 岡村 りら  専修大学, 国際コミュニケーション学部, 准教授 (40614954)
松尾 隆佑  宮崎大学, キャリアマネジメント推進機構, 講師 (20873326)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード放射性廃棄物 / 最終処分場 / 熟議民主主義 / ステークホルダー / 比較政策分析
研究実績の概要

2022年度には、2回の研究会(オンライン開催)を行い、本科研メンバー以外の参加者を含め議論した。6月25日開催の本年度第1回研究会(通算6回目)では、外部メンバーである友次晋介氏(広島大学)に「ロシア・ウクライナ戦争と核施設への攻撃の含意/『燃料サイクルの帝国』と『規制帝国』の衝突のゆくえ」という標題で報告して頂き、討論した。当科研プロジェクトの趣旨に鑑みウクライナは興味深い分析対象であるのに加え、国際情勢の激変が与える影響を理解する上でも、時宜に適った充実した研究会となった。9月24日開催の第2回(通算第7回)研究会では、岡村りらが最近のドイツにおける脱原発政策の進展を報告するとともに、以下の北海道視察ツアーからの知見が共有された。
北海道視察ツアーには、本科研からは小野一および松尾隆佑が参加した。8月17日には、さっぽろ自由学校「遊」の「北海道の『核のゴミ』処分問題を考えるpart2」第4回講座(滝川康治氏が「『最終処分法』の問題点を探る」で講演)に参加した。8月18日には、寿都町役場担当職員の案内・解説で同町の風力発電施設を見学した。8月19日には岩内町議会議員佐藤英行氏へのインタビュー、および周辺町村(泊村、神恵内村)の諸施設を見学した。8月20、21日には、豊富町で開催された「2022ほろのべ・核のゴミを考える全国交流会/寿都・神恵内で『概要調査』をさせないために」に参加した。ここでの学習・交流活動は、幌延町深地層研究センターでの原子力機構への申し入れ行動の準備も兼ねる。
岡村は、2022年8月にドイツ出張を行っている。
研究成果を学術論文や口頭報告等のかたちで発信する活動も、各メンバーにおいて行われた(「10.研究発表」の項を参照)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度もコロナウイルス蔓延の影響は残ったが、状況の改善により徐々に本来の研究活動に戻りつつある。オンライン方式の研究会活動で成果を上げたのは前年度に引き続いてのものだったが、今年度は、上述したような国内および海外における出張を伴う調査研究が行えるようになった。外部メンバーも含めたネットワークも進展し、とりわけ、2023年度に学会報告を行う段取りを整えたことは重要な意義を有する。

今後の研究の推進方策

2023年秋に開催される日本政治学会において、分科会「放射性廃棄物管理と現代デモクラシー~~最終処分場立地をめぐる政治過程を中心に」(司会:小野)を設置する。報告者と報告テーマは、尾内隆之(外部メンバー)「核廃棄物処分の科学技術と社会をめぐる地質学的政治学」、岡村りら「高レベル放射性廃棄物最終処分場選定に関する議論~~日独比較を中心に」、松尾隆佑「放射性廃棄物管理における参加と熟議~~ステークホルダー関与の観点から」である。討論者(いずれも外部メンバー)は、寿楽浩太と高野聡が務める。
その他に、学術論文の執筆や口頭報告等を、各メンバーにおいて行う。本科研を通じて培われた研究会活動やネットワークは、今後も継続し、発展させる。科研プロジェクトの継続も視野に入れる。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額(繰越金)が発生した最大の理由は、コロナウイルス蔓延の影響が本年度も残存したため、一部の海外出張・調査が制約されたためである。オンラインでの研究会活動は、結果的に、必要経費の削減につながった。繰越金は次年度の予算に組み入れることにより、本科研プロジェクトの目的達成に資する。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (4件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] ウクライナ戦争とドイツの変貌/緑の党は対ロ強硬策で一線を超えた2023

    • 著者名/発表者名
      小野 一
    • 雑誌名

      現代の理論

      巻: 59 ページ: 114-119

  • [雑誌論文] Atom- und Atommuellpolitik in Japan ein Jahrzehnt nach Fukushima2023

    • 著者名/発表者名
      Okamura, Lila
    • 雑誌名

      国際コミュニケーション研究

      巻: 2 ページ: 62-69

  • [雑誌論文] 社会民主主義左派の可能性/ポスト赤緑連立期ドイツ社会民衆党を中心に2022

    • 著者名/発表者名
      小野 一
    • 雑誌名

      唯物論

      巻: 96 ページ: 102-118

  • [雑誌論文] ステークホルダーの知識活用と放射性廃棄物管理2022

    • 著者名/発表者名
      松尾隆佑
    • 雑誌名

      公共政策研究

      巻: 22 ページ: 100-112

  • [学会発表] ロシアによるウクライナ侵略から8ヶ月/戦争のリアル2022

    • 著者名/発表者名
      小野 一
    • 学会等名
      日本科学者会議福井支部主催公開講演会(研究例会)
  • [学会発表] 高レベル放射性廃棄物政策-日独比較-2022

    • 著者名/発表者名
      岡村 りら
    • 学会等名
      第33回 廃棄物資源循環学会 研究発表会
  • [学会発表] 放射性廃棄物管理における参加と熟議2022

    • 著者名/発表者名
      松尾隆佑
    • 学会等名
      九州大学政治研究会

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公開日: 2023-12-25  

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