研究課題/領域番号 |
21K01312
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
高橋 進 龍谷大学, 公私立大学の部局等, フェロー (30136577)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 記憶 / 植民地支配 / イタリア / ファシズム / ヨーロッパの内戦 / ナショナリズム |
研究実績の概要 |
研究の年次計画に沿って進めているが、部分的に実施できなかった部分も生じた。初年度である2021年度はファシストの植民地支配やバルカン占領、レジスタンスとサロ共和国に関する最近の研究文献の収集を行った。基本的な文献の収集はほぼできている。 研究計画に立てていた論点整理については、アフリカ植民地支配を中心に行う計画であったが、研究課題である「記憶、歴史認識と政治」分析の前提として、近代イタリアからファシズム期を経て戦後のイタリア共和国までのイタリア・ナショナリズムの形成と変容を整理し、まとめておく必要があることに気づき、それに重点を置いた研究整理を行った。 イタリア・ナショナリズムの形成と変容のテーマの中間的整理を、龍谷大学社会科学研究所の共同研究「現代西欧諸国における『国民』再統合と政治統合の模索に関する比較研究」(研究代表者、渡辺博明龍谷大学法学部教授)の研究会で、「戦後イタリア・ナショナリズム考察のためのデッサン―反ファシズム民主主義の憲法ナショナリズムから欧州民主主義への転換」と題して報告した(2021年12月19日)。この報告をまとめた論文は、この共同研究の成果としてまとめられる書籍『ポピュリズム、ナショナリズムと現代政治』(仮題)に所収され、2023年3月に刊行される予定である。 初年度にイタリアを訪れての資料収集を計画していたが、新型コロナ(COVID-19)の感染拡大のために実施できなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
必要な研究文献の収集はほぼ計画通り進んでいる。他に遅れている部分もある。初年度にアフリカ植民地支配についての論点整理を行う計画であったが、あまり進めることができなかった。その理由は、初年度の研究を進めてきた過程で、近代から戦後までのイタリア・ナショナリズムの形成と変容についての研究が、本研究課題の「記憶」「歴史認識」「ファシズム」分析の重要な前提であることが明らかになり、日本において既存の研究成果がないので、このテーマの研究を優先的に行ったからである。 イタリアを訪れての一次資料の収集は、コロナの感染拡大のために、実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
初年度の研究計画に入れていたが、実施が不十分であったアフリカの植民地支配についての論点整理を行う。2年度の研究の重点項目であるバルカンにおけるイタリア占領に関する文献収集と論点整理を重点的に行う。 初年度に実施できなかったイタリアを訪れての一次資料の収集を、コロナの感染状況を見ながら実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
イタリアを訪れて資料収集を行う計画であったが、コロナの感染拡大のために、実施できなかった。 2023年度にコロナの感染状況を見ながら、実施する予定である。
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