研究課題/領域番号 |
21K01312
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
高橋 進 龍谷大学, 公私立大学の部局等, フェロー (30136577)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ムッソリーニ / ファシズム / 第二次世界大戦 / ユーゴ占領 / アフリカ侵攻 / 記憶 / 歴史認識 / レジスタンス |
研究成果の概要 |
イタリアの第二次大戦参戦がヒトラーに引きずられたものではなく、ムッソリーニの地中海・アフリカ、バルカン支配の願望に基づき、独自の「並行戦争」として開始された。しかし、軍事力・経済力の脆弱さのために成功せず、ドイツの軍事介入により立て直された。ユーゴはドイツ主導で開始され、独軍の力によって征服された。イタリアの併合と占領統治は武装レジスタンスに直面した。その鎮圧のために残虐な戦争犯罪行為を行うとともに、民族対立を利用して武装勢力を組織し、相互対立を扇動、内戦を誘発した。これは1990年代のユーゴ解体時の「民族浄化」先駆となったことを明らかにした。
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自由記述の分野 |
ヨーロッパ政治史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意義は、①イタリアの第二次大戦への参戦が受動的な参戦ではなく、ムッソリーニの「帝国」建設の野望のための主体的な選択であったことの明確化。②日本で初めてのイタリアのユーゴ占領の実態とその意義の分析。③ユーゴ占領統治のための民族対立を利用した武装組織の創設が内戦の原因となり、それが「ヨーロッパの内戦」の性格を体現したことの分析。社会的意義は、①第二次大戦をヨーロッパに関しては「ヨーロッパの内戦」と見る視点の有効性の確認。②「ファシズム対民主主義」という第二次大戦間観を脱して複眼的に見る有効性を提示。③イタリアにおけるファシズムと第二次大戦の「記憶と歴史認識」と政治の関係の解明。
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