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2023 年度 実施状況報告書

特殊災害に対する実効性のある危機管理体制、中央地方関係についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K01339
研究機関関西大学

研究代表者

永田 尚三  関西大学, 社会安全学部, 教授 (40286216)

研究分担者 福澤 真一  常磐大学, 総合政策学部, 教授 (30326813)
小島 和貴  桃山学院大学, 法学部, 教授 (50286217)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード危機管理 / 国民保護 / オールハザードアプローチ / 能登地震 / 消防行政
研究実績の概要

今回の新型コロナでは、長期化する危機の中で行政における人的資源不足が発生し、危機事態対応や平常業務の事業継続性において支障が生じた側面があるが、不確実性が非常に高い状況下では行政組織間の各種資源のやり取りにおいて、貸し渋り等の問題が発生することを明らかにできた点は大きいと考えている。これらの危機時の行政組織間の調整の困難性を改善する側面からは、調整役としての国の権限強化が必要であると思われる。この本研究の研究成果の論文で提示した問題意識は、その後地方制度調査会の議論や2024年5月の国会における地方自治法の改正議論にも繋がった(研究代表者は、地方自治法改正に関し衆院総務委員会に参考人招致)。
また海外のコロナ対応の研究調査からは、それらの行政の資源不足を補うため、文民保護組織等の各種共助組織が資源の供給源となっていた側面を明らかにできた。欧州各国においては、ワクチン接種では民間レスキュー等のNGO、NPOといった救急医療系の活動をしている共助組織が人的資源を提供する等の態勢が予め先取りで構築されていた点は、今後わが国においても参考にしていくべき点ではないかと思われる。
更に、本年度は2024年1月1日に発生した能登地震を受けて、現地調査を実施し、消防行政の課題について明らかにした。
なお、本研究課題での2023年度中の研究成果は、論文3件、書籍等出版物1件、講演・口頭発表等9件、メディア報道59件である。特に、研究成果を単著にまとめ出版し、日本公共政策学会賞(著作賞)を受賞した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初、コロナで進捗が遅れた本研究であったが、社会活動の平常化と共に、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

海外の現地調査がコロナの影響もあり出来ていないので、2024年度は実施したい。既に、海外の研究協力者であるポツダム大学のヤン教授とも、打合せ済みである

次年度使用額が生じた理由

研究開始当初、新型コロナの感染拡大がまだおさまっておらず、海外調査が出来なかったため。2024年度は、海外調査を実施し、主に欧州諸国の旅費や、収集データの入力のための人件費等で使用したい。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (9件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 地方が取り組む「防災DX」とはどんなもの?2023

    • 著者名/発表者名
      永田尚三
    • 雑誌名

      地方議会人

      巻: (7月) ページ: 16-19

  • [雑誌論文] 「防災DXの必要性」ー群馬にもどうして導入が必要なのかー2023

    • 著者名/発表者名
      永田尚三
    • 雑誌名

      群馬自治

      巻: 10月号 ページ: 3-5

  • [雑誌論文] 人口減少時代における消防団の現状と課題2023

    • 著者名/発表者名
      永田尚三
    • 雑誌名

      火災

      巻: (387号) ページ: 13-17

  • [学会発表] 防災DXの現状と課題2024

    • 著者名/発表者名
      永田尚三
    • 学会等名
      上田市議会DX推進議員連盟
  • [学会発表] 南海トラフ地震を見据えた地域・行政の体制2023

    • 著者名/発表者名
      永田尚三
    • 学会等名
      大阪公立大学都市経営研究科ワークショップ講演
  • [学会発表] 東南海・南海地震への備え~減災・防災について~2023

    • 著者名/発表者名
      永田尚三
    • 学会等名
      政研フォーラム和歌山県連絡会「研修会」講演
  • [学会発表] 南海トラフ地震はいつ起こる?知っておきたい被害想定と対策2023

    • 著者名/発表者名
      永田尚三
    • 学会等名
      政研フォーラム高知県連絡会「研修会」講演
  • [学会発表] 災害としてのパンデミック・感染症行政2023

    • 著者名/発表者名
      永田尚三
    • 学会等名
      医療政策学研究会
  • [学会発表] 危機管理の視点からみたCOVID-19への対応2023

    • 著者名/発表者名
      永田尚三
    • 学会等名
      公益財団法人医療科学研究所「健康危機管理に対するガバナンス」プロジェクト
  • [学会発表] 行政相談委員の災害対応の現状と今後への期待2023

    • 著者名/発表者名
      永田尚三
    • 学会等名
      日本オンブズマン学会
  • [学会発表] 大災害と日本の危機管理2023

    • 著者名/発表者名
      永田尚三
    • 学会等名
      政研フォーラム奈良県「研修会」講演
  • [学会発表] 消防の他実働組織との連携体制の現状と課題2023

    • 著者名/発表者名
      永田尚三
    • 学会等名
      G7茨城水戸内務・安全担当大臣会合開催記念 安全安心な社会の実現に向けた実動機関の連携に関する討論会
  • [図書] 日本の消防行政の研究: 組織間関係と補完体制2023

    • 著者名/発表者名
      永田尚三
    • 総ページ数
      320
    • 出版者
      一藝社
    • ISBN
      486359271X

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公開日: 2024-12-25  

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