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2022 年度 実施状況報告書

貿易ガバナンスと国内政治:日韓の通商政策の比較から

研究課題

研究課題/領域番号 21K01355
研究機関明治大学

研究代表者

金 ゼンマ  明治大学, 国際日本学部, 専任教授 (70509562)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードリージョナル・ガバナンス / 国内政治 / 経済制裁 / 経済安全保障 / 武器化された相互依存
研究実績の概要

2023年1月に「日本の対韓経済制裁をめぐる対立の連鎖-経済的相互依存の「武器化」と錯誤」を『日本の経済外交:新たな対外関係構築の軌跡』(勁草書房)において発表(共著)した。本論文は、日本の韓国に対する経済制裁をめぐる対立の原因を探ることで、日韓の通商政策の比較において示唆を与えるものであった。
日韓の対立が激化した要因を探る際、本論文ではヘンリー・ファレルとエイブラハム・L・ニューマンの提起した「武器化された相互依存(weaponized interdependence)」の概念を援用した。この議論によって、日韓が経済的相互依存関係を築きながらも対立した背景と、経済と安全保障との関連を探ることを目的とした。具体的には、経済制裁の実施国とその対象国との錯誤、すなわち意図の相互誤解のメカニズムを捉えたものであった。それは、経済安全保障に対する考察にもつながったとされる。対立激化の要因は、日本が対韓措置に関してその意図を明示しなかった点と日本の措置の目的・手段関係に不均衡があった点に見い出せた。同時に韓国で日本の真意を把握するのが難しくなり、韓国国内にも元来それを阻害する要素が存在した。さらに、多元的なコミュニケーション・チャネルが、日韓間に欠けていた点も明らかになった。経済的相互依存論の観点から、日韓両国の政治過程を検討し、どのように錯誤が生じて対立が激化していったのか、その要因を明らかにしたことが本年度の主な研究成果として挙げられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

まだ途中段階ではあるが、日韓の通商政策をめぐる争点をめぐって「日本の対韓経済制裁をめぐる対立の連鎖-経済的相互依存の「武器化」と錯誤」を『日本の経済外交』(勁草書房)において発表(共著)することができた。

今後の研究の推進方策

これまで得られた情報をもとに、International Studies AssociationやAmerican Political Science Associationなどの国際学会にて報告を行い、最終的なチェックを行う。論文は、『韓国国際政治論叢』(韓国国際政治学会誌)もしくはAsian Surveyに投稿し、成果として発表する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症の影響でアメリカの国際学会での報告や、韓国における調査出張に支障が生じたためである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 『日本の経済外交:新たな対外関係構築の軌跡』2023

    • 著者名/発表者名
      金ゼンマ・大矢根聡
    • 総ページ数
      336
    • 出版者
      勁草書房
    • ISBN
      978-4-326-30321-2

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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