研究課題/領域番号 |
21K01356
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
青山 瑠妙 早稲田大学, 国際学術院(アジア太平洋研究科), 教授 (20329022)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 中国外交 / エネルギー安全保障 / 食料安全保障 / アフリカ |
研究実績の概要 |
2023年度は国内政策プロセスと対外政策の展開を中心に研究を進めた。中国の対外経済政策は一貫して「計画性」を重視しているという特性から、今年度は特に対外経済政策の側面から、中国の対外政策と経済政策の「計画性」に焦点を当て、その計画性がどのように対外政策を動かしているのかについて、研究、執筆活動を行った。 中国の対外経済政策の方向性を示す代表的な政策は「五カ年計画」、「対外投資国別産業ガイドライン」、「産業調整ガイダンス目録」などがあるが、今年度においてこうした政策文献を収集し、分析を行った。 具体的なケースとしては、中国のエネルギー安全保障と食料安全保障の政策である。この二つの政策は胡錦涛政権から今の習近平政権まで一貫して重視されているが、エネルギー安全保障の政策に関しては、エネルギー輸入ルートの多元化が一定の成果を上げている。他方において、食料安全保障政策は習近平の集権体制のもとで精力的に推進したにもかかわらず、バイデン政権の対中政策までほぼ進展がみられていなかった。こうした違いがなぜ生じたのかという問題を念頭に、論文を執筆した。 2024年4月にアメリカのサンフランシスコのInternational Studies Associationでその研究成果を発表した。 こうした研究成果に踏まえ、来年度は習近平体制下でのeWTP構想(現時点でマレーシア)をケースに、国内政策プロセスと対外政策の展開を分析する。こうした分析を通じて、国有と私営」の融合を図る習近平体制下の対外政策における「計画性」と「独自性」の在り方を明らかにすることができる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
、中国の対外経済政策の方向性を示す代表的な政策は「五カ年計画」、「対外投資国別産業ガイドライン」、「産業調整ガイダンス目録」などがあるが、今年度においてこうした政策文献を収集し、分析を行った。 中国の政策決定と対外政策の関係を分析するため、中国のエネルギー安全保障と食料安全保障の政策をケースとして取り上げた。この二つの政策は胡錦涛政権から今の習近平政権まで一貫して重視されているが、その進み具合は全く異なっている。こうした違いがなぜ生じたのかという問題を念頭に、論文を執筆した。 2024年4月にアメリカのサンフランシスコのInternational Studies Associationでその研究成果を発表した。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は習近平体制下でのeWTP構想(現時点でマレーシア)をケースに、国内政策プロセスと対外政策の展開を分析する。eWTP構想は中国のデジタルシルクロードの一環となる国家戦略でありながら、私営企業(アリババなど)が主体となって動かしているEコマースを促進する政策である。eWTP構想に対する考察を通じて、「国有と私営」の融合を図る習近平体制下の対外政策における「計画性」と「独自性」の在り方を明らかにすることができる。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの影響で、これまで海外渡航ができなかったのが主な要因である。
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