研究課題/領域番号 |
21K01357
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
太田 宏 早稲田大学, 国際学術院, 教授 (70288504)
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研究分担者 |
舒 旻 早稲田大学, 国際学術院, 准教授 (20534986)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | エネルギー転換 / 再生可能エネルギー / 気候変動 / 脱炭素 / 地政学 / カーボン・ロックイン / 既得権政治 / 希少金属 |
研究実績の概要 |
22年度は、国内での現地調査、研究会、専門家を招いたウェビナーなどを行いつつ、研究報告も行なった。とりわけ、本研究代表の太田は、8月と9月下旬に秋田の風力発電の現地調査を行い、関係者とのインタビューを通して、現在及び今後の洋上風力の開発状況を調査した、また、9月中旬に長崎県五島の福江で今後開発が進められる見通しの浮体式洋上風力の現地調査と関係者とのインタビューを行なった。これらの調査は、日本政府が掲げるグリーン・トランスフォーメーション(GX)政策の中心の一つである洋上風力開発の実態把握が目的であった。秋田及び長崎での現地調査と関係者へのインタビューを通して、日本の風力発電のポテンシャルを十分に理解することができ、また、日本の脱炭素への可能性が十分にあることが確認でき、本研究にとって非常に有意義であった。 気候変動問題のパリ協定に関しては、日本政府が推し進める二国間クレジットの環境省の交渉官を講師に招いて多くの参加者を得たウェビナーを9月中旬に開催した。また、ドイツの気候変動とエネルギー政策研究の第一人者であるミュンヘン工科大学教授を招いたウェビナーを1月下旬に開催し、ロシアのウクライナ侵攻後のドイツとEUの気候・エネルギー政策の動向について議論した。さらに、3月上旬にドイツの研究協力者の大学に赴き、ドイツやEUのエネルギー転換に関して、聞き取り調査を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナ感染症の影響で2022年内には海外での研究調査や研究交流はできなかったが、その代わり、日本国内での再生可能エネルギー開発状況に関する現地調査ができた。とりわけ、長崎県五島での日本初の浮体式洋上風力発電の現場に行き、その実態と五島市の取り組みやその開発に関わる多くのステークホルダーへの聞き取り調査ができた。また、秋田の陸上および洋上風力発電に関しても現地調査をするとともに、当地での関係者へのインタビューを通して、日本の風力発電のポテンシャルを十分に理解することができた。このことは、日本の脱炭素への可能性があることが理解できて、研究上非常に有意義であった。さらに、気候変動問題に関して、日本政府が推進する二国間クレジットの専門家から知見をえるとともに、ドイツとEUの気候・エネルギー政策の専門家とも研究交流ができた。 以上、本研究は概ね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
世界的な脱炭素の動き、主要国の新エネルギーをめぐる主導権争いと地政学的な状況を明らかにした上で、日本の気候政策とエネルギー政策への影響を分析する。その際、世界の脱炭素の動向と主要国の新エネルギーをめぐる主導権争いが日本国内の産業構造変革を方向付けることがあれば、その影響が顕著になるという仮説を検証する。最終的に、研究成果を論文等で公表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
英文校正費に関して、研究代表者が所属する大学に対して英文校正会社が割引サービスを適用したため、差額が生じた。この余剰分は次年度の研究経費として充当する予定である。
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