国家の構成員の決め方、つまり入国管理・国籍制度に関する先行研究では、国家の統治機構や歴史・文化的背景といった内的要因が重視される一方で、国家を取り巻く外的要因が成員形成に与える影響は見過ごされがちである。本研究では、英国をとりまく国際環境が、英国の政策変容に密接に関わっていたことを論じた。国家と成員とのつながりは固定的で永続的なものと理解されがちである。しかし現実には、国内および国外からの多様な要因が、国家と成員の関係および成員のあり方に継続的に影響を及ぼしている。庇護政策においても、各国に政策立案・運用は難民レジームの変容及び難民レジームの抱える問題と密接に関連していることがわかった。
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