どのような貿易相手国の場合に、人々は貿易自由化に賛成するのか。それはなぜか。従来、人々の貿易政策への態度を左右する要因としては、経済的要因や社会的要因が強調されてきた。また分析の対象は、アメリカやイギリスに偏っていた。 本研究では、日本・ドイツ・イタリアを分析対象としてオンライン・サーベイ実験を実施した。調査分析の結果、相手国との安全保障関係が人々の貿易選好に大きな影響を与えていることが分かった。こうした因果関係は、日独伊の3カ国で共通して観察されたことから、特定国に限らない因果関係であることも確認できた。
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