研究課題/領域番号 |
21K01383
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研究機関 | 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所 |
研究代表者 |
松本 はる香 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センター東アジア研究グループ, 研究グループ長・主任研究員 (90450543)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 国際政治学 / 冷戦外交史 / 東アジア国際関係史 / 台湾海峡危機 / 米中関係 / 中国 / 台湾 / アーカイブ |
研究実績の概要 |
本研究では、冷戦時代に中国の金門島砲撃によって起きた二度にわたる台湾海峡危機に焦点を当て、危機に対応するアメリカと台湾の関係(米華関係)の展開を中心として外交史的に実証していく。そのことを通じて、台湾海峡を挟んで中国と台湾の対立と分断が固定化されていく過程を描き、今日まで続く中国と台湾の対立の構図を明らかにする。 本年度は、当該科研費研究の一年目に当たり、これまでの研究蓄積に基づき、論文の執筆作業を行ってきた。それとともに、これまで収集してきた資料をいまいちど精査することによって、論旨の補強を行った。とりわけ、新型コロナウイルスの影響もあり、海外出張によって現地での資料調査を行うことが難しかったことから、日本国内における研究に重点を置いた。主には、米国の国立公文書館(ナショナル・アーカイブ)、スタンフォード大学のフーバー研究所や、台湾の国史館、中央研究院近代史研究所トウ案館、国民党党史館、中国の外交部トウ案館、華東師範大学当代文献史料中心などで、これまで収集してきた資料を改めて整理し、比較の視点に立って読み込み作業を行い、論旨の補強をした。また、国史館の総統関係資料や、中華民国外交部関係資料などを読み込むことによって、台湾側とアメリカ側の外交資料の比較の作業を進めるとともに、日本の外務省外交史料館や、東京大学東洋文化研究所現代台湾文庫などが所蔵する、台湾関連の資料なども、必要に応じて参考にした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、新型コロナウイルスの影響により海外での現地調査が出来なかったことを除き、研究自体については順調に進めることができた。また、オンラインなどを通じて、国内外における会議や講演会で発表を行い、関連する研究成果などを積極的に対外発信した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、本の出版に向けて、改めて論文全体の構成を検討しつつ、改稿作業を進め、内容を補強していく予定である。また、編集者及び出版社とコンタクトを取りつつ、出版実現のための具体的な調整を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、新型コロナウイルスの影響によって、海外での現地調査が出来なかったことから、海外出張旅費を予定通り支出することが難しかった。今後は徐々に海外渡航制限も緩和されていく見通しのため、状況を見ながら、次年度以降、現地調査の実施に関して改めて計画を立てつつ実施していく予定である。
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備考 |
東京女子大学アジアフォーラム寄稿 「研究者として学生のみなさんに伝えたいこと」(2021年) https://afr-twcu.jp/matsumoto/
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