研究課題
今年度は、以前から改訂を進めてきた論文(Group strategy-proof probabilistic voting with single-peaked preferences)が査読付き学術誌(Journal of Mathematical Economics)に採択された。本論文では、投票問題のモデルにおいて望ましいメカニズムのクラスについて研究を行った。この研究では、選択肢の集合上の確率分布を決定する確率的メカニズムについて検討を行い、個人が選択肢の集合上に単峰な(最も好ましい選択肢がありその選択肢に近い選択肢ほど好ましいとする)選好を持つ状況において望ましい条件を満たす確率的メカニズムのクラスの特徴付けを行った。そして、「連立耐戦略性」の条件を満たす望ましい確率的メカニズムのクラスについて明らかにした。「連立耐戦略性」はグループによる選好の虚偽表明を防止するための条件(「耐戦略性」のより強い条件)である。さらに、本論文では「連立耐戦略性」および「全会一致性」の望ましさの条件を満たす確率的メカニズムのクラスの特徴付けも行った。「全会一致性」は最も好ましい選択肢が一致する場合にはその選択肢を選ぶことを要求する条件である。また、今年度は貨幣移転が可能な状況でのマッチングモデルの研究も行った。「耐戦略性」や「効率性」などの望ましさの条件を満たすメカニズムについて検討を進め、論文の改訂も行った。
2: おおむね順調に進展している
投票問題のモデルにおいて確率的メカニズムの特徴付けを行った論文が採択され、他のモデルの研究も進めることができたため。
貨幣移転が可能な状況でのマッチングモデルの研究と論文の改訂をさらに進める。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Journal of Mathematical Economics
巻: 102 ページ: 102755~102755
10.1016/j.jmateco.2022.102755