研究課題
基盤研究(C)
本研究では4つの研究を実施した。第一は、中間財を通じた産業の結びつきがある場合の、投資財に特殊的な技術進歩に関する理論・実証研究。第二は、供給ネットワークが存在する下での最適なインフレ率に関する理論研究。第三は、ミクロ実証研究と整合的な実質値の硬直性と供給ネットワークの階層数との関係に関する理論研究。第四は、経済成長の主要な決定要因は、産業に特有のトレンドか、それとも産業共通のトレンドかに関する実証研究。
経済学
本課題の研究上の特徴は、中間財を通じた供給側のネットワークが果たす役割について検討を行った点にある。その結果、供給側のネットワークの構造は、経済成長や長期的なインフレ率、あるいは実質値の硬直性など、経済の様々な領域にわたって無視できない影響を及ぼしえることが分かった。また、こうした構造の存在を考慮しないで分析を行ってしまうと、その影響は大きなものとなりえることが分かったことも重要な成果の一つであるといえる。