研究課題/領域番号 |
21K01400
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
堀 健夫 東京工業大学, 工学院, 准教授 (80547513)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 資産バブル / 総需要 / シンプルモデル / ゼロ金利 |
研究実績の概要 |
既存のバブル経済のマクロ経済モデルでは、生産サイドで経済の総生産量が決まる。そのため、バブル崩壊時に投資が減少すると消費が増える、というデータで観察される事実と矛盾した結論を導く。そこで本研究では、需要サイドが経済の総生産量の決定に大きな役割を果たすマクロ経済モデルを構築した。2021年度は、この研究を以下の論文にまとめた。 Takeo Hori and Ryonghun Im. "Asset Bubbles and Aggregate Demand" (研究代表者のホームページ https://sites.google.com/view/takeohori からダウンロード可能) この研究では、教科書的な経済成長モデルを (i)資本稼働率の内生化、(ii)投資のリスクの導入、という2点で拡張した。この拡張の下で、①資産バブルが総消費と総投資に直接影響すること、②バブル崩壊によって、総消費と総投資がともに減少すること、③ゼロ金利制約がバブル崩壊の影響を拡大し不況を悪化させること、を示した。さらに、④バブル崩壊による不況を緩和させる政策として総需要刺激政策が有効であることを示した。 また、新しい研究として、国際貿易と資産バブルに関する研究に着手した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度は、論文"Asset Bubbles and Aggregate Demand"を執筆し、研究代表者のホームページ(https://sites.google.com/view/takeohori)で公表した。また、国際貿易を含んだ新しい分析に着手した。また、企業動学と資産バブルの分析のための準備を開始した。
|
今後の研究の推進方策 |
(i)論文"Asset Bubbles and Aggregate Demand"を査読付きの国際的学術誌へ投稿し掲載を目指す。 (ii) 国際貿易を含んだ分析を終わらせ、原稿にまとめ、研究代表者のホームページ(https://sites.google.com/view/takeohori)などで公表する (iii)企業動学と資産バブルの分析を行う
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナなどの影響により、海外共同研究が行えなかったため次年度使用額が生じた。
|