研究実績の概要 |
本研究は、現在行われている多様な標本調査の枠組みの下での、統計的推論の基本的な枠組みを検討し、理論的に妥当な統計手法を確立することを目的としている。 2023年度は、標本調査の枠組みにおける、拡張Glivenko-Cantelli型の定理を証明して、論文"Extended Glivenko-Cantelli theorem for simple random sampling without replacement from a finite population "をCommunications in Statistics - Theory and Methodsで発表(Published online)した。そのほか、長期間にわたる国際パネルデータに基づいた金融政策の安定性に関する実証分析を共同で行い、論文"Financial Stability, Impossible Trinity, and Macroprudential Policy"をEconomic Analysisに掲載した。 また、標本調査において一般的な不等確率抽出における、分位点の線形表現であるBahadur表現について、6th Baltic-Nordic Conference on Survey Statisticsで報告を行った。この内容については、現在、査読付き学術誌に投稿中である。また、複数年にわたる調査データを連結し整合的に分類する手法をThe 8th Japanese-German Symposium on Classificationにて、共同で発表した。 また、誤差を含むデータについての分位点推定における一致性の問題についても、一定の結果を得て、現在、査読付き学術誌への投稿に向けて、準備を進めている。
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