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2021 年度 実施状況報告書

マクロ安定化政策が不確実性や経済的感情にメディアを通して与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 21K01446
研究機関東北学院大学

研究代表者

舟島 義人  東北学院大学, 経済学部, 准教授 (30635769)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードマクロ安定化政策 / 不確実性 / 感情 / オールドメディア / ソーシャルメディア
研究実績の概要

本研究課題の目的は、金融政策ショックや財政政策ショックなどのマクロ安定化政策のサプライズが、メディアを通して経済政策の不確実性や経済的な感情に与える影響を明らかにすることである。2021年度は、本研究課題の基礎となる研究を実施するとともに、特に次の二つのテーマについて研究を遂行し、査読付き国際学術誌に掲載した。
一つ目は、政策金利を操作する伝統的な金融政策が、新聞に基づき作成された経済政策の不確実性指標に及ぼす影響についてである。アメリカのデータを用いた実証分析の結果、金融緩和ショックは、金融政策の不確実性を高めることが示された。先行研究において政策の不確実性が経済活動に悪影響を及ぼしていることが指摘されていることを踏まえると、この結果は金融緩和の新たな負の波及メカニズムが存在することを含意する。
二つ目は、非伝統的金融政策が経済政策の不確実性に及ぼす影響の検証である。具体的には、リーマン・ショック後に実施されたアメリカの非伝統的金融政策を対象に分析した。主な結果として、政策金利のフォワードガイダンスは不確実性の変動を低下させた一方、期間を明示したフォワードガイダンスは不確実性の水準を上昇させたことが示唆された。また、量的緩和のテーパリングは不確実性を低下させたことが示された。こうした結果は、不確実性を不安定化させることなく、非伝統的金融政策を実施するために有益な情報であり、今後の望ましい政策立案に資するものである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新聞に基づく経済政策の不確実性指標に関する実証分析は、既に学術誌に掲載し、計画通りに研究を遂行した。ソーシャルメディアに基づく不確実性指標や感情指標に関する分析については、残りの研究期間で実施することは可能であると考えられる。

今後の研究の推進方策

まだ公刊できていない基礎研究について、査読付き学術誌への掲載に必要な改訂を行う。基礎研究やこれまでの研究から得られた知見を基に、残りの研究テーマについて検討を進める。

次年度使用額が生じた理由

予算執行率は96%であり、受領額を概ね使用した。次年度使用額は、関連書籍の購入や英文校正などに充てる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Effects of unanticipated monetary policy shocks on monetary policy uncertainty2022

    • 著者名/発表者名
      Yoshito Funashima
    • 雑誌名

      Finance Research Letters

      巻: 46 ページ: 102326

    • DOI

      10.1016/j.frl.2021.102326

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Economic policy uncertainty and unconventional monetary policy2022

    • 著者名/発表者名
      Yoshito Funashima
    • 雑誌名

      The Manchester School

      巻: 90 ページ: 278~292

    • DOI

      10.1111/manc.12401

    • 査読あり

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公開日: 2022-12-28  

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