研究課題/領域番号 |
21K01449
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研究機関 | 武蔵大学 |
研究代表者 |
松川 勇 武蔵大学, 国際教養学部, 教授 (50287851)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 生産自動化 / 経済成長 |
研究実績の概要 |
本年度は主に経済の供給面に焦点を当て、企業行動を中心として技術進歩と経済成長の関係に関する分析を展開した。その際、資本と労働の2要素の生産関数をもとに生産工程における自動化の進展が生産要素の分配および経済発展に与える影響を明らかにした。具体的には、ロボットやIoT (internet of things)などにみられる技術進歩によって自動化された生産工程が経済成長に及ぼす影響を明らかにするため、新古典派の経済成長モデルをもとに分析を行った。その際、資本と労働の2要素のCES (constant elasticity of substitution) 型生産関数を想定し、経済の持続状態において自動化される工程の増加が資本の分配率および経済成長率に及ぼす影響を明らかにした。持続状態と整合する労働集約型の技術進歩を想定する場合、資本と労働の代替弾力性は小規模になるが、数値例からは自動化される工程の割合が100%近くに達した場合でも資本の分配率が3分の1程度にとどまる可能性が明らかになった。 近年の人工知能(AI)の目覚ましい発展は、新型コロナウイルスが世界規模で感染拡大した後の経済成長の起爆剤として、世界各国から注目されている。本研究において明らかにした生産の自動化の効果は主にロボットやIoTなどの従来型の技術に関するものであり、AIが経済成長に及ぼす影響を明示したものではない。しかし、本研究の成果は、生産技術の進歩が長期的にどのような影響を一国の経済へ及ぼすかについて有用な示唆を与えるものと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度に予定していた供給面の分析が順調に進展したため、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は需要面に焦点を当て、世代重複モデルをもとに経済発展と環境の質のトレードオフを分析し、経済成長と環境汚染の動学的な相互関係を明らかにする。具体的には、環境の質の改善を目的とする投資を世代重複モデルに明示的に取り入れ、持続可能な経済発展を実現する方策を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大によって国際学会が中止になり、次年度使用額が生じた。2023年度に研究に必要な物品の購入費用の一部に充当するか、もしくは参考となる研究資料が期待できる国際学会への参加費用・旅費に充当する予定である。
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