研究課題/領域番号 |
21K01452
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
北村 紘 京都産業大学, 経済学部, 教授 (30582415)
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研究分担者 |
松島 法明 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (80334879)
田村 彌 名古屋大学, 経済学研究科, 准教授 (60711950)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 競争政策 / 垂直的取引制限 / 排他条件付取引 / 経済政策 / 産業組織 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,理論分析および実験分析を通して,ライバル企業を排除する反競争的な排他条件付取引契約(以下,排他契約)が実現する状況を明らかにすることである.4年の研究計画の1年目である2021年度の研究進捗状況は,以下のとおりである. 1年目は,新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けにくい排他契約の事例調査に多くの時間を割いた.国内外の排他契約関連の事例を調査する中で,理論分析および実験分析に向けて,排他契約に関する知見を深めることができた.加えて,今回の事例調査により,本研究計画がスタートする前から取り組んでいる研究(耐久財市場における排他契約による参入阻止の研究,参入企業の技術効率性と排他契約による参入阻止との関係の研究,既存企業間における排他契約の提示競争の研究)においても,より適切な事例を提示することができるようになった.また,上記の調査で得られた知見を利用した研究成果として,2本の研究論文が英文査読誌に受理された. 次に,理論研究においては,排他契約関連の新しい理論モデル分析をスタートさせている.非常にシンプルなモデルではあるが,現時点において排他契約の文脈で貢献があると思われる結果を得ることはできている.2022年度は,より一般的な需要関数,費用関数におけるモデル設定のもとで分析を実施し,結果の頑健性の確認を行う.2022年度内に,研究会などの場で研究報告ができる水準に仕上げていきたい. 一方で,実験研究は,実験の準備に時間を割いた.新型コロナウイルスの感染拡大の状況を注視しながら,2022年度以降に実施できるように準備を進めていく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
事例調査においては,それなりの成果が得られたが,理論研究については,予定よりは遅れている.遅延が発生した理由として,英文査読誌に投稿をしていた3本の研究論文について改訂要求を受け,改訂作業に多くの時間を割く必要があったことがあげられる.
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今後の研究の推進方策 |
理論研究については,進行中の研究で得られている結果の頑健性の確認を行い,研究会で報告できる水準に仕上げていく.また,実験研究においては,新型コロナウイルスの感染拡大の状況に依存する部分があるが,感染状況を注視し,実験の実施を目指す.実験を実施する際には,感染対策を徹底し,安全性の確保に十分に配慮する.
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次年度使用額が生じた理由 |
プレ実験および研究メンバーで対面での打ち合わせを行う予定であったが,新型コロナウイルスの感染拡大により,被験者募集や出張の予定が立てることが困難な状況であったため,2022年度以降に延期することにした.
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