| 研究課題/領域番号 |
21K01452
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| 研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
北村 紘 京都産業大学, 経済学部, 教授 (30582415)
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| 研究分担者 |
松島 法明 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (80334879)
田村 彌 名古屋大学, 経済学研究科, 准教授 (60711950)
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| 研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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| キーワード | 競争政策 / 垂直的取引制限 / 排他条件付取引 / 経済政策 / 産業組織 / 経済実験 |
| 研究実績の概要 |
メーカーと小売店などの取引において,他社との取引を禁じる排他条件付取引契約(以下,排他契約)は,既存のライバル企業を市場から排除する手段として用いられることがある.シカゴ学派による理論分析以降の研究により,排他契約が競合他社の排除を目的として締結されるのは,特定の市場環境に限られることが明らかになっている.本研究は,競合他社を排除する目的で排他契約が締結される市場環境を明らかにすることを目的としている. 2024年度は,排他契約をめぐる競争に注目した理論研究1本および実験研究1本をディスカッションペーパーとして公開した.特に,実験研究の完成は2024年度の大きな成果である.本研究では,排他契約をめぐる競争が競合他社の排除につながる可能性を,経済実験により検証した.理論モデルに基づく分析では,排除と非排除のいずれも均衡として成立しうることが示されているが,企業の交渉力や製品差別化の程度が排除の実現可能性に与える影響は,理論上は明確でなかった.そこで,この点を実証的に検証した結果,企業の交渉力が強い場合や製品差別化の程度が大きい場合には,排他契約が締結され,競合他社が排除される頻度が高まる傾向が確認された.この結果は,コカ・コーラとペプシによるいわゆる「コーラ戦争」に象徴される,飲料メーカーと飲食店との間で行われる専売契約競争の理解に対し,実証的観点から重要な示唆を与えるものである. なお,本研究課題の遂行を通じて得られた知見を活用した関連研究として,英文査読誌に3本の論文が採択された.また,最終年度は,シカゴ学派の理論分析の現実妥当性にも取り組んだが,年度内に研究が完成しておらず,2025年度以降に研究を完成させる予定である.
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