研究実績の概要 |
貿易自由化が長期的な経済成長率に与える効果を分析した先行研究のモデルに対して、本研究は長期的な定常状態に至る移行経路上の効果も含めて政策評価できるように改良した。収束するための安定性の条件を導出したことは本研究の成果の一つということができる。シミュレーション分析した結果、知識の国際的な伝播を仮定しなくとも国内のより効率的な資源配分によって長期的に経済成長率を上昇させること、短期的には経済の状態に依存して経済成長率に正の効果をもたらす場合と負の効果をもたらす場合が発生するという成果として得ている。 研究の成果は2022年6月~7月にアメリカ合衆国オレゴン州ポートランドで開催された国際カンファレンス Western Economic Association International において「Dynamics, Stability, and Openness in an Endogenous Growth Model with Firm Heterogeneity」という題目で研究発表を行い、参加していた出席者から有益な助言を得ることができた。また、2022年12月には中国湖南省の長沙理工大学で開催された国際カンファレンス Leading Forum of International Conference on Digital Finance, Technological Innovation and Economic Development, International Young Scholars Forum において、本課題のテーマをより幅広い経済学研究者向けに変更した内容のオンライン講演を行った。それらを参考に原稿を改訂し、その成果は現在SSRNに公開されているが、今後Journal of Macroeconomics 等の国際ジャーナルへの投稿を計画している。
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