研究課題/領域番号 |
21K01464
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
飯星 博邦 東京都立大学, 経営学研究科, 教授 (90381441)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ヘテロエージェント・モデル / マクロ動学モデル / 社会保障・年金制度 / 非線形モデル / 数値シミュレーション |
研究実績の概要 |
研究実績については、以下の4点である。[1] 2021年度の日本経済学会秋季大会での研究報告。これは論文タイトル”Bayesian Estimation of Heterogeneous Agent New Keynesian Models Using Macro Data”の研究報告であり、家計がヘテロエージェントモデルであるニューケインジアンを日本のマクロデータを使い推定したものであり、従来の代表的個人のモデルと推定値を比較したものである。 [2] 日本の社会保障制度(年金・医療介護保険制度)の改革のシミュレーションを対象としたヘテロエージェントモデルについては、論文タイトル”The Impact of the Social Security Reforms on Welfare: Who benefits and loses across Generations, Gender and Employment Types?"として研究を進めて、2022年度の日本経済学会秋季大会に報告する予定である。 [3] すでに国際雑誌 Oxford Bulletin of Economics and Statisticsに投稿し、リバイズ要請がある論文として"Fiscal Adjustments and Debt-Dependent Multipliers: Evidence from the U.S. Time Series," (2020) (with Yasuharu Iwata) があり、こちらは改訂作業中である。 [4]新規に執筆した研究論文として "Estimating a Behavioral New Keynesian Model with the Zero Lower Bound," があり、東京大学・金融教育研究センターのワーキングペーパーのCARF-F-535として2022年3月に公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度は、高性能のマルチコアのCPU(中央演算装置)とGPU(グラフィックスプロセッサ)の両方を搭載した高機能の技術計算用サーバの設置と環境構築を行った。この高機能技術計算用サーバは大規模な並列計算に威力を発揮し、複雑なマルコフ過程を有するベルマン方程式が極めて高速に解けるようになった。この動作確認と試運転として、複雑な経済動学モデルの応用を実施した。具体的には、各個人単位に生じる労働生産性ショックが引き起こすヘテロエージェント(異質性を有する家計)のライフサイクル・モデルのシミュレーションを実施し、その計算時間等の計測などを行った。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度に導入した高性能のマルチコアのCPUとGPUを搭載した技術計算用サーバを利用して、2022年度はヘテロエージェント(異質性を有する家計)のライフサイクル・モデルのシミュレーションの研究を推進する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定額と実施額の差については、コロナの影響による国際・国内学会への参加ができなかったことによる未達である。この未達額については、2022年度に、計算用GPU(グラフィックスプロセッサ)の購入により、解消する計画である。
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