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2021 年度 実施状況報告書

高速道路の休憩施設における大型トラックの駐車問題の解決に向けた提案

研究課題

研究課題/領域番号 21K01465
研究機関流通経済大学

研究代表者

味水 佑毅  流通経済大学, 流通情報学部, 教授 (80401678)

研究分担者 後藤 孝夫  中央大学, 経済学部, 教授 (60435097)
根本 敏則  敬愛大学, 経済学部, 教授 (90156167)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード高速道路 / 休憩施設 / トラック輸送 / 駐車問題
研究実績の概要

本研究は、近年、社会的課題となっている物流の労働問題について、「高速道路の休憩施設における大型トラックの駐車問題」を取り上げ、インタビュー調査・アンケート調査をおこなうとともに、駐車マスの利用実態データの分析などをおこなうことを通じて、特に深夜帯におけるドライバーの休憩時間の確保に向けた具体的な提案を目指すものである。
令和3年度は、第一に、運送事業者(特別積合せ運送事業者)とインフラ事業者(高速道路会社)を対象としたインタビュー調査をおこない、高速道路の休憩施設における混雑の実態と影響について知見を深めるとともに、インフラ事業者がこれまでにおこなってきた混雑対策について、その規模だけでなく、実施にあたっての制約条件などについても導出することができた。第二に、高速道路会社から提供を受けた、高速道路の休憩施設の流出入データを用いて分析をすることで、休憩施設における駐車台数を、滞在時間別、流入時間別に分単位で示すことができた。
これらの知見の整理を通じて、高速道路の休憩施設における大型トラックの駐車需要の特性、構造を明らかにするとともに、時間帯別・距離帯別・車種別の駐車マスの供給の充足状況を明らかにすることができた。
本研究では、駐車マスの需要管理手法として、①同一休憩施設での時間的分散、②複数の休憩施設間の空間的分散、③高速道路外施設への転換の3手法を想定していたわけだが、上記の知見を通じて、運送事業者の事業環境の点で①の時間的分散が選択しづらいこと、また休憩施設の混雑の同時発生の点で②の空間的分散も選択は容易ではないことがわかった。このことは、当初設定した仮説の修正に役立つのみならず、令和4年度以降に実施する、利用者側・インフラ側の要因分析の効率的な実施に有効であると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新型コロナウイルスの影響により、当初予定していたインタビュー調査が実施できないなどの問題はあったものの、一部についてはオンラインでのインタビュー調査に切り替えることで、当初予定していた調査内容をほぼ網羅することができた。
また一方で、令和4年度以降の新型コロナウイルスの感染状況が想定できなかったため、まん延防止措置が解除された期間中に、令和4年度に予定していた高速道路会社向けのインタビュー調査を実施するなど、臨機応変に研究計画を組み換え、効率的な研究を実施することができた。
以上より、本研究課題はおおむね順調に進捗しているものと考える。

今後の研究の推進方策

令和4年度は、主に2つの取り組みを実施する予定である。
第一に、運送事業者向けのアンケート調査を実施し、特に貸切便を運行する運送事業者の高速道路の休憩施設の利用選択についてモデル化を試みる。
第二に、令和3年度に収集した先行研究のレビューを通じて、駐車マスの需要管理手法についての整理を試みる。
これらの取り組みを通じて、高速道路の休憩施設の駐車問題について、利用者側とインフラ側の両面から、その要因分析をおこなうこととしたい。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルスの流行により、予定していたインタビュー調査が一部実施できなかったこと、またその他予定していた実地調査を実施できなかったことから、そのための旅費およびその調査に関連して支出を予定していた物品費について、次年度使用額が生じた。
ただし、その分、研究計画を組み替えて実施しており、上記の次年度使用額にかかる調査等ついては、令和4年度中に確実に実施できる見込みである。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (8件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 輸送サービスの地域間比較に関する一考察~宅配便を例として~2022

    • 著者名/発表者名
      味水佑毅、石川友保
    • 雑誌名

      流通情報学部紀要

      巻: 第26巻第2号 ページ: 213-243

  • [雑誌論文] 長距離トラック輸送の大型化の阻害要因~特積運送を例として~2021

    • 著者名/発表者名
      味水佑毅、後藤孝夫、根本敏則、利部智
    • 雑誌名

      日本物流学会誌

      巻: 29 ページ: 165-172

  • [雑誌論文] 大型車運行管理システム(FMS)の標準化2021

    • 著者名/発表者名
      根本敏則、倉橋敬三、味水佑毅
    • 雑誌名

      日交研究シリーズ

      巻: A-807 ページ: 170-194

  • [雑誌論文] 「送料無料」がもたらす地域間格差と輸送サービス水準の変化による是正2021

    • 著者名/発表者名
      石川友保、味水佑毅
    • 雑誌名

      福島大学地域創造

      巻: 第33巻 第1号 ページ: 3-18

  • [雑誌論文] 幹線輸送の生産性向上における車両の大型化の現状と課題2021

    • 著者名/発表者名
      味水佑毅、渡部大輔、後藤孝夫、根本敏則、利部智
    • 雑誌名

      第38回 日本物流学会 全国大会 研究報告集

      巻: 38 ページ: 161-164

  • [雑誌論文] 高速道路の債務償還シミュレーション~高速道路の永久有料化を見据えた一試算~2021

    • 著者名/発表者名
      後藤孝夫、谷下雅義、根本敏則
    • 雑誌名

      運輸政策研究

      巻: 80号(早期公開版) ページ: 1-8

  • [雑誌論文] 物流標準化による「担い手にやさしい物流」を目指して2021

    • 著者名/発表者名
      根本敏則
    • 雑誌名

      プログレス

      巻: 2021年8月号 ページ: 2-7

  • [雑誌論文] 物流標準化への期待と課題2021

    • 著者名/発表者名
      根本敏則
    • 雑誌名

      運輸と経済

      巻: Vol. 81, No.10 ページ: 2-4

  • [学会発表] 幹線輸送の生産性向上における車両の大型化の現状と課題2021

    • 著者名/発表者名
      味水佑毅、渡部大輔、後藤孝夫、根本敏則、利部 智
    • 学会等名
      第38 回 日本物流学会 全国大会
  • [学会発表] Transportation Demand Management (TDM) of Large Vehicle parking spaces in expressway rest areas: Evidence from Japan2021

    • 著者名/発表者名
      Yuki MISUI, Takao GOTO, Toshinori NEMOTO, Tetsuro HYODO, Tomo KAGABU
    • 学会等名
      16th REAAA Conference
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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