研究課題/領域番号 |
21K01466
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
竹田 陽介 上智大学, 経済学部, 教授 (20266068)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | サプライ・チェーン / Stag hunt game / ネットワーク / 社会学習 / 自動車部品サプライヤー / 安定性 |
研究実績の概要 |
2021年度は,研究テーマに関連する以下の二つの作業を行った. 第一に,本研究の問題意識に通じる先行研究であるわが国の自動車部品サプライヤーに関する研究を専門書として上梓するための編集作業を行った.書籍は,Yosuke Takeda and Ichihiro Uchida,Information Agglomeration of Japanese Auto Parts Suppliers,SpringerBriefs in Economicsとして,2022年上半期に出版される予定である.以下の5章から成る本書の編集作業は,元になるワーキングペーパーの換骨奪胎,必要な図表の選択・整理を伴う編集であった.Chapter 1.The Economics of Information Agglomeration; Chapter 2.Technology Information Sharing; Chapter 3.Initiative for Relation-Specific Skills; Chapter 4.Automobile Electronics and Capital Adjustment Costs; Chapter 5.Legal Enforcements for Competition Policy. 第二は,サプライ・チェーンの形成・寸断に関する動学的ネットワーク・モデルの構築を,上智大学大学院博士後期課程の張燁明氏の研究協力の下,凡そ週一回のペースでオンラインで行った.現在のところ,参考文献を読み合わせた上で,ネットワークおよび社会学習の理論を用いながら,わが国の自動車部品サプライヤーのサプライチェーンに関する動学的ネットワーク・モデルを構築しつつある.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
以下の理由による.第一に,「応募者の研究遂行能力及び研究環境」で述べたように,本研究の問題意識に通じるこれまでの研究活動の成果をまとめたInformation Agglomeration of Japanese Auto-Parts Suppliers, Springer Briefs in Economicsが近刊の運びとなった.第二に,2021年度の研究課題として掲げた「サプライ・チェーンの形成・寸断に関する動学的ネットワーク・モデルの構築」の具体的な作業についても,順調に進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,サプライ・チェーンの形成・寸断に関する動学的ネットワーク・モデルの構築を進める.具体的には,動学的ネットワーク・モデルの安定性条件について,数値計算を行うとともに,動学的ネットワーク・モデルを感染症拡大のSIRモデルに接合する.また,暫定的な理論研究を,海外渡航が可能となった後に,OECDをはじめ海外のコンファレンスで報告する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ・ウィルス感染拡大による海外渡航の禁止に伴い,海外におけるコンファレンス・学会への参加の断念を余儀なくされたため.本年度に,海外渡航が可能となれば,旅費等に支出する予定である.もし不可能であれば,次年度に予定している高額のデータの購入に充てたい.
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