研究課題/領域番号 |
21K01475
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研究機関 | 立命館アジア太平洋大学 |
研究代表者 |
夏田 郁 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 教授 (60454972)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 自動車産業 / 電気自動車 / EU / アジア / グローバル・バリュー・チェーン |
研究実績の概要 |
本年度は、第1に、2022年6月29日に台湾で開催された第18回のAsialicsの国際会議で、パネル招待発表者として、ウクライナ戦争及びヨーロッパにおける電気自動車(EV)化におけるアジア自動車産業への影響について講演をおこなった。第2に、上記を踏まえ、ベトナム自動車産業、特にVinfast社のEV化についての書籍の章を執筆した(2023年度中にPalgrave Macmillanから出版予定である)。第3に、2023年2-3月にかけ、ハンガリー・ブダペストとチェコ・プラハにて、中央ヨーロッパの自動車生産国における自動車産業、とりわけ、電気自動車(EV)へのシフトについて、聞き取り調査を行った。チェコと比較すると、ハンガリーでは、中国企業及び韓国企業が大規模なEV投資を行っていることが分かった。なお、日系企業のEV投資はかなり限定的で、上記2か国と比較すると、非常に限定的であることが理解できた。また、ドイツ系も積極的なEV投資を行っている。第4に、フランスのGERPISA (The International Network of Automobile)の自動車産業グローバル・バリューチェーン・プロジェクトに参加し、世界各国の研究者と共同プロジェクトを実施した。上記の現地調査結果も踏まえ、ハンガリー自動車産業におけるサプライチェーンネットワークおよびアジアにおける自動車産業の発展政策についての書籍の2つの章を執筆中である(2023年度中にPalgrave Macmillanから出版予定)。第5に、中央ヨーロッパにおけるグローバル・バリューチェーンと地域経済への知識のスピルオーバー(ハンガリー自動車産業のケーススタディ)に関する論文を執筆し、Scopusに収録されている国際ジャーナルに投稿し、現在、メジャー・リビジョンの訂正を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症のパンデミックの影響で、初年度に現地調査を行うことが出来なかったため、文献調査及びこれまでの調査結果を用い、最低限の研究成果を出そうとしているところである。2023年の2-3月に初めて、現地調査を実施することができた。次年度からは、本格的な現地調査が出来る見込みであるので、研究を進めて行きたいと思う。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、欧州のEV化についての現地調査を積極的に進めて行きたいと考えている。また、2023年6月1日にハンガリーのSzechenyi Istvan大学で開催される国際会議「Current Challenges for Sustainable Development at Global and Regional Levels」のKeynote Speakerとして、自動車産業のEV化について発表を行う予定である。なお、ハンガリー自動車産業に関する論文を出版することを目標としている。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症のパンデミックの影響で、海外現地調査が予定通り実行できず、次年度に繰り越しをすることとなった。次年度は、共同研究者と相談の上、2023年9月、または、2024年2-3の時期に、欧州地域の現地調査を実施することを計画している。
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