研究課題/領域番号 |
21K01475
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研究機関 | 立命館アジア太平洋大学 |
研究代表者 |
夏田 郁 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 教授 (60454972)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 自動車産業 / 電気自動車 / カーボンニュートラル / EU / アジア / グローバルバリューチェーン |
研究実績の概要 |
本年度は、第1に、9月に経済産業省・自動車課と日本自動車部品工業を訪問し、日本の自動車産業の電動化の動向及びグリーン・サプライチェーンについてのヒアリング調査を行った。第2に、2-3月にかけてベルギー及びチェコにて、欧州における電動化についての調査を行った。欧州連合は急速な電動化シフトを推し進めているが、欧州の業界団体は政策通り自動車を電動化することは困難であり、厳しい状況に置かれていることが理解できた。第3に、6月にハンガリーSzechnyi Istvan大学で開催された国際会議のKeynote Speakerとして、「Sustainable Automotive Development」の講演を行った。第4に、中央ヨーロッパにおけるグローバル・バリューチェーンと地域経済への知識のスピルオーバー(ハンガリー自動車産業のケーススタディ)に関する論文を、Scopusに収録されている国際ジャーナルから出版した。第5に、ベトナム自動車産業、特にVinfast社のEV化についての論文を、書籍「The Political Economy of Global Manufacturing, Business and Finance」の中の1つの章としてPalgrave Macmillanから出版した。第6に、フランスのGERPISA (The International Network of Automobile)の自動車産業グローバル・バリューチェーン・プロジェクトに参加し、世界各国の研究者と共同プロジェクトを実施した。ハンガリー自動車産業におけるサプライチェーンネットワークおよびアジアにおける自動車産業の発展政策についての書籍の2つの章を執筆した(2024年度中にPalgraveMacmillanから出版予定である)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナ感染症のパンデミックの影響で、初年度に現地調査を行うことができなかったため、全体的に研究が遅れていたが、現地調査も実施することができ、遅れを取り戻しているところである。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、欧州の電動化についての現地調査を積極的に進めていきたいと考えている。また、2024年6月にフランス・ボルドーで開催される、GERPISA (The International Network of Automobile)の年次総会に出席し、欧州の電動化政策が日本の自動車産業に与える影響について研究発表を行う予定である。なお、この研究発表内容を基に論文を執筆し、国際査読付きジャーナルに投稿することを目標とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年次に新型コロナパンデミックの影響で、現地調査が実施できなかった理由により、研究計画が一年遅れることとなった。2024年度は、最終年にあたり、6月にフランスでの国際学会での研究発表及び2025年2-3月に欧州での最終現地調査の実施費用に充てることを計画している。
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