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2023 年度 実施状況報告書

自然災害が経済的選好に与えた影響:インドネシアの家計パネルデータを用いた分析

研究課題

研究課題/領域番号 21K01476
研究機関独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所

研究代表者

東方 孝之  独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センター東南アジアI研究グループ, 研究グループ長 (70450533)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード自然災害 / リスク選好 / 時間選好 / インドネシア
研究実績の概要

本研究の主な目的は、自然災害が多発する国として知られるインドネシアを事例に、被災経験がリスク選好や時間選好といった経済的選好に与えた影響を探ることである。具体的には、様々な条件の違いを考慮に入れた(コントロールした)うえで、自然災害が発生した地域とそうでない地域に住んでいた個人について、自然災害の事前・事後とで経済的選好を比較する計画を立てている。ここで極めて重要となるのは良質なデータセットの構築である。なかでも、一定期間にわたって同一個人ならびに同一地点の情報を定期的に収集してきたデータ(パネルデータ)を用いたデータセット構築作業が必要不可欠である。本研究では、同一個人については、1993年から2014年にかけて米国のRAND研究所が5ラウンドにわたって情報を収集・公開している家計パネルデータ(IFLS)を用いている。一方、同一地点という点では、インドネシアでは約8万の最末端行政組織(以下、村)単位で、おおよそ3年に一度の悉皆調査(Podes)を実施しており、このデータを1990年代まで可能な限り遡って村レベルのパネルデータ化する作業を進めている。Podesには自然災害情報が含まれているため、このパネルデータを使うことにより、自然災害の被害が及んだ地域を村レベルで年ごとに確認することが可能となる。ただし、1990年代の村の分裂・統合についての情報不足から、2023年度はPodesのパネル化作業を進めるとともに、分析については2000年代以降のPodes情報を活用しての推計作業を行った。前年度にはPodesのパネル化作業が終わった地域に限定しての暫定的な分析を行ったが、2023年度には対象地域を拡張して、2000年代のPodes情報を活用した分析を試みた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

村落センサスデータのパネル化および家計パネルデータとのマッチング作業に当初の計画以上に時間を要したため。

今後の研究の推進方策

2024年度は、新型コロナ感染症の拡大というパンデミックを題材に、政治的選好が新型コロナワクチン接種率に与えた影響を探ったDiscussion Paper(Covid-19 vaccine hesitancy in Indonesia: Association between trust in the government and vaccination coverage)の改訂作業を進める。また、地震などの自然災害の発生が危険回避度に及ぼした影響の推計については、個人の幼年期以降についての自然災害の経験の確認などを踏まえた分析を行うなど、頑健性を確認したうえでDiscussion Paperとして分析結果をまとめる。

次年度使用額が生じた理由

購入予定であった家計調査や村落悉皆調査、人口センサスといった個票データが統計庁により公開されなかったことから、次年度へ繰り越すことになった。

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公開日: 2024-12-25  

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