研究課題/領域番号 |
21K01479
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高木 聡一郎 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 准教授 (80775437)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | プラットフォーム / 労働 / 経済的影響 / マクロ経済 / イノベーション |
研究実績の概要 |
本研究の目的は「オンライン・プラットフォームを介した労働提供の普及が経済に与える影響を明らかにすること」である。その中心となるサブテーマはオンライン・プラットフォームを介した労働提供の現状の把握及び将来の推計を行うことであり、今年度は特に本サブテーマに注力した研究を実施した。本サブテーマでは、ボトムアップ推計、アンケート調査、O*NETデータベースの職業属性を活用した機械学習による推計という3つの手法を統合した推計を行う計画であるが、このうちボトムアップ推計とアンケート調査を完了した。アンケート調査は、クラウドソーシングのプラットフォームの利用経験者1,500名を対象として行い、クラウドワークの利用状況、内容、対価、利用目的等についてデータを収集した。今後は日本版O*NETの職業属性とのデータ結合を行い、職業属性ごとのクラウドワークへの親和性を推計する計画である。 さらに、従前実施していたアンケート分析データも活用し、オンライン・プラットフォームを介した労働と都市への居住インセンティブとの関係について分析を進めた。この結果については日本経済政策学会国際会議にて発表を行ったほか、2022年夏頃に発刊予定の書籍に収録し、出版する予定である。また、オンライン・プラットフォームを含めたデジタルツールを用いて、地域を越境して働く人材の地域への知識スピルオーバーについても研究を発展させ、社会・経済システム学会にて発表を行った。 その他、DSGE分析については実績のあるDSGEモデルをプラットフォーム労働に応用するために観点について文献レビューを実施した他、個人に立脚した労働の創造性への影響については、英国のコワーキングスペースの展開について情報収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は特に第一のサブテーマに注力した研究を実施した。本テーマでは、ボトムアップ推計、アンケート調査、O*NETデータベースの職業属性を活用した機械学習による推計という3つの手法を統合した推計を行う計画であるが、このうちボトムアップ推計とアンケート調査を完了した。アンケート調査は、クラウドワークの利用状況、内容、対価、利用目的等を把握するため、アンケート調査票の設計を行い、クラウドソーシングのプラットフォームの利用経験者1,500名を対象として調査を実施した。調査はインターネットモニターを対象として行った。 さらに、従前実施していたアンケート分析データも活用し、オンライン・プラットフォームを介した労働と都市への居住インセンティブとの関係について分析を進めた。この結果については日本経済政策学会国際会議にて発表を行ったほか、2022年夏頃に発刊予定の書籍に収録し、出版する予定である。また、オンライン・プラットフォームを含めたデジタルツールを用いて、地域を越境して働く人材の地域への知識スピルオーバーについて研究を発展させ、社会・経済システム学会にて発表を行った。 その他、DSGE分析については実績のあるDSGEモデルをプラットフォーム労働に応用するために観点について文献レビューを実施した他、個人に立脚した労働の創造性への影響については、英国のコワーキングスペースの展開について情報収集を行った。
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今後の研究の推進方策 |
アンケートデータについて、今後は日本版O*NETの職業属性とのデータ結合を行い、職業属性ごとのクラウドワークへの親和性を推計する計画である。推計においては、機械学習アルゴリズムの活用を検討している。また、アンケートデータを活用した一次分析について国内外での学会での発表または論文投稿を行う予定である。 また、DSGE分析についてはプラットフォームによる労働市場の効率化や副業の促進等の効果をモデルに組み込み、マクロ経済への影響に関する推計を行える基盤を整備する予定である。個人に立脚した労働による創造性への影響について、特に日英の国際比較についてはコロナ禍の状況によって影響がある可能性があるものの、海外の研究者と連携しつつ検討を進めて行く予定である。
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