研究課題/領域番号 |
21K01496
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
水野 敬三 関西学院大学, 商学部, 教授 (40229703)
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研究分担者 |
大洞 公平 関西学院大学, 経済学部, 准教授 (70388354)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 耐久財 / リアル・オプション / 垂直的品質差 / 認識不足消費者 / 逐次均衡 / 占有均衡 |
研究実績の概要 |
令和4年度は研究計画2年目である。令和3年度同様、毎月1回のオンラインによる研究打ち合わせを通して、令和3年度に作成した研究論文"Preemption and Product Differentiation with Non-Savvy Consumers: A Real Options Approach"の第1稿の改訂を行った。 具体的な改訂ポイントは動学分析の点である。昨年度の静学分析で導出した企業利潤は、2企業間で非対称な値をとる利潤関数となった。リアル・オプション手法を用いた動学分析を行う際、2企業間で利潤が非対称である場合、動学分析の礎となる価値関数も非対称となる。その非対称価値関数の分析方法が令和3年度は誤っていたことが判明した。そこで再度考察を重ねた結果、我々の分析に応用できる既存研究(Pawlina & Kort(2006))を発見した。その既存研究の分析方法を用いることにより、動学均衡として2種類の逐次均衡と2種類の占有均衡の計4種類の均衡が発生することがわかった。現在、各均衡の発生する条件の確認と発生するパラメーターの領域を特定化し、それを整理する作業をしているところである。この作業終了後、第1稿を改訂して第2稿を作成し、令和5年度に第2稿を国内外の研究会やセミナーで報告する予定である。 *Pawlina & Kort, 2006, "Real Options in an Asymmetric Duopoly: Who Benefits from Your Competitive Advantage?", Journal of Economics and Management Strategy.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、第2稿を本年度中に完成させる予定であった。現時点では、均衡の発生条件の整理などの分析途中である。令和5年度の6月末までには分析完了および分析の再確認を終了し、7月末までには第2稿を完成させる予定である。よって8月以降に研究会やセミナーで報告する。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度4月から第2稿の分析作業を行い、7月末までに第2稿を完成させる。8月から令和6年1月末までに2回程度、研究会報告を行う。また学会報告も1回行う予定である。2月以降に研究会・学会で受けたコメントを反映させて第3稿を作成する。そして3月末までに第3稿を完成させ、この第3稿を国際学術雑誌に投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
数回の研究報告を国内外に予定していたが、研究途中で分析の誤りを発見したため、報告回数が予定より少なくなった。研究計画最終年度である令和5年度は報告回数を増やす予定である。
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