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2021 年度 実施状況報告書

自動運転車・MaaS・テレワークと複数地域からなる都市構造の数値計算分析

研究課題

研究課題/領域番号 21K01515
研究機関関西学院大学

研究代表者

平松 燈  関西学院大学, 総合政策学部, 教授 (30725255)

研究分担者 井上 寛規  久留米大学, 経済学部, 講師 (90635963)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワード自動運転車 / コネクテッドカー / 交通渋滞
研究実績の概要

本研究の目的の一つに、シミュレーション分析に注目される数値計算手法を応用し学術的に価値の高い研究を行うことをあげた。そこで、エージェントが多数存在し、それぞれに異なったルールで意思決定を行うマルチエージェントシミュレーション分析を行うこととし、この分析に適したシミュレーションソフトであるartisocを利用することにした。別の目的には、関西経済圏の統計データを適応し、現実的な地域経済を再現することがあった。2021年度は、地理情報システム(G I S)からデータを取り込み、実際の地図上で分析する手法を学び、交通部門を分析可能なプロトタイプのモデルを作成した。このプロトタイプモデルによりコネクテッドカーの普及に伴う渋滞状況の変化についてのシミュレーションを行なった。ここでのエージェントタイプは、コネクッテドカーと普通の自動車である。プロトタイプモデルは正常に作動し、コネクテッドカーの増加とともに渋滞は減少することが確認された。しかし過度に渋滞に反応する場合は、長距離移動を伴うルート変更により、到着時間が遅れる場合があった。到着時間までの移動時間を最短化するような目的も必要である。なお、コネクッテッドカーは周辺のコネクテッドカーと情報通信を自動で行う自動車のことで、最新の渋滞情報を共有した上で、移動ルートを選択すると仮定した。今後はモデルを現実的にするために、必要なデータを収集し、モデルに適用していく。Hiramatsu(2022)ではリニア中央新幹線の開通により東京一極集中が緩和される可能性を示した。東海道新幹線と同じルートをとった場合は、現状の経済構造の強化をすることになり、東京一極集中傾向が進む。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

代表研究者が大学を移籍したことで担当科目が変わり、資料作成や講義準備に時間がかかり、多少の遅れが生じた。

今後の研究の推進方策

本研究では次世代の交通機機関を取り入れた現実的なシミュレーション分析を行うことを目的にしている。そのためモデルのパラメター設定にはデータを活用する。データの収集とモデルへの適用は今後まず取り組む課題である。特に交通ネットワークを作成するために地理情報システム(G I S)を活用する。本研究のもう一つの取り組みはマルチエージェントシミュレーションの導入である。そのため、本研究からより多くの示唆に富んだ分析結果を得るために、適切にエージェントタイプを設定する。プロトタイプモデルではエージェントとして普通の自動車とコネクテッドカーを取り入れたが、歩行者や公共交通機関の利用者を追加する。これに伴い、モード選択、各モード利用者の行動パターンについてもモデル化することで得られる分析結果はより示唆に富んだものとなる。

次年度使用額が生じた理由

シーズンにより異なる旅費、コロナ禍での出張の制限、予想外のコンピュータの故障の修理費などの差し引きにより、次年度使用額が発生した。
次年度の研究費は、物品費(プリンタのインク、書籍など)、旅費(学会や共同研究者との研究打ち合わせのための旅費など)、人件費(データ入力のアルバイトなど)、その他(英語論文の英文校正など)などに使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Inter-metropolitan regional migration galvanized by high-speed rail: A simulation analysis of the Linear Chuo Shinkansen line in Japan2023

    • 著者名/発表者名
      Tomoru Hiramatsu
    • 雑誌名

      Socio-Economic Planning Sciences

      巻: 85 ページ: 1,13

    • DOI

      10.1016/j.seps.2022.101268

    • 査読あり

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公開日: 2022-12-28  

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