研究課題/領域番号 |
21K01524
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
古松 紀子 岡山大学, 社会文化科学学域, 教授 (60293685)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 高等教育市場 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、高等教育市場分析において、教育機関が近年直面しているオンライン授業の導入効果をモデル化するために、経済学のフレームワークに心理学分野の意思決定過程に関する学問的成果を取り入れて市場構造を分析し、大学の最適規模と最適配置、授業料の最適水準設定の問題に新たな理論的視点と実証的根拠を与え、最適な高等教育政策を検討することである。従来、大学の規模や配置の問題は地域の人口減少や地方創生の視点から議論されることが多かったが、オンライン授業が導入された大学教育の市場構造が分析できれば、従来の高等教育政策の理論的基礎に一考察を与えるだけでなく、今後の教育システムを含めた高等教育政策に政策的インプリケーションを与えることが期待できる。今年度は、オンライン授業による個人の大学選択行動への影響を調査するため、各大学における状況変化の把握に努めた。具体的には、国立大学における志願者・受験者の動向に関わるデータ収集を行い、ここ数年間の新型コロナウイルス対策下での大学市場の変化を整理した。また、心理学分野の選好逆転現象(preference reversal phenomenon)のモデル化を検討するため、心理学分野における顕著性仮説(prominence hypothesis)を前提とした状況即応的重みづけモデル(contingent weighting model)に関する文献や資料の整理を行った。今後はこれらの知識を体系化して経済モデルの構築に取り組む予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス対策で研究が遅れて期間延長した研究課題があるため、本研究への取組が計画より遅れてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究への取組が遅れているため、まずは現在収集している情報のデータベース化をすすめる。その上で、心理学分野の知識を用いて、教育選好を内生化したモデルの構築に取り組む。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス対策により期間延長した研究課題があるため、本研究への取組が遅れた。
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