研究課題/領域番号 |
21K01545
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研究機関 | 千葉経済大学 |
研究代表者 |
中嶌 剛 千葉経済大学, 経済学部, 教授 (30624837)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | とりあえず進学 / とりあえず志向 / キャリア教育 / キャリア形成 |
研究実績の概要 |
わが国の大学生(N=1839)が正社員を目指す心理を構造的に明らかにし、行動実践面との関連性を検討した。具体的には、Harren(1979)の概念尺度を用いて、「正社員になること」「正社員であること」「正社員として働く」という類型ごとに正社員意識に関する因子抽出を行った。その結果、3つの類型とも2因子構造を有することが分かった。 「正社員として働く」は「堅実・安定志向」「地元志向」で構成され、この2つの就業スタイルで大学生が思い描く働くイメージ全体の8割程度が説明できた。 「自らの正社員イメージに基づいてキャリア意思決定を行う」という仮説モデルに基づき、正社員意識から行動実践面(主体的取組み・就職活動準備)への影響を多次元的アプローチにより実証した。加えて、16個の個人特性(Gati et al.,2010)と正社員意識の関連についても分析した
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度に構築したパネルデータを用いた解析を行い、投稿論文を2本執筆した(未公表)。また、これまでの一連の成果を踏まえ、毎日教育総合研究所「月イチ時事サポートYesNo?とりあえず進学」という寄稿文を執筆し、ニュース時事能力検定公式サイト(インターネットメディア上)に公表した。
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今後の研究の推進方策 |
高3から大学1年の接続段階の3時点を追跡した縦断的アンケート調査では、高校卒業後の第3回目調査の回答率が大幅に低下してしまったため、インタビューなどの質的調査を併用し、少人数に対してく聞き取りを行う。場合によっては、仮説検証型アプローチから仮説構築へのアプローチに転換しながら、質的側面から補っていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ感性症の影響もあり、2022年度に行った学会発表(発表者、コメンテーターを含む)はすべてオンライ開催であったため、旅費は発生しなかった。
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