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2023 年度 実施状況報告書

バブル解明のための期待・価格・ファンダメンタルズ三者間相互作用の実験・実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K01571
研究機関常葉大学

研究代表者

秋永 利明  常葉大学, 経営学部, 准教授 (60286606)

研究分担者 青木 恵子  埼玉大学, 人文社会科学研究科, 准教授 (10546732)
赤井 研樹  島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 講師 (20583214)
工藤 隆則  摂南大学, 理工学部, 講師 (80736695)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード期待形成 / 市場実験
研究実績の概要

4セッションの実験を行う。ファンダメンタルズの変動パターンを変化させて、市場価格のファンダメンタルズ価格への収束を調べる。ファンダメンタルズが単調増加する場合の方が、一定で変化しない場合よりも、市場価格がファンダメンタルズ価格をより良く反映するのではないかという憶測につながる結果を得た。ファンダメンタルズが単調増加の実験セッションでは、市場価格がファンダメンタルズ価格に非常に良く収束する場合があったが、それなりに収束するもだけの場合もあった。収束が悪いセッションについては、実験後のアンケートから推察して、被験者が市場取引の仕組みを十分理解していないことが、疑われた。

いずれの実験セッションでも、市場価格がァンダメンタルズ価格より低くなる傾向が見られたが、この傾向は以前から見出されていたもので、Akinaga et al. (2023, JEIC Volume 18, pages 491-532) でも報告済みである。今回は、こうした下方バイアスが修正されるメカニズムの一端が見出されたわけだが、追試を重ねる必要がある。ファンダメンタルズが単調増加する場合の方が、単調減少の場合に比べて適正な価格が形成されやすいことは、Smith et al. (1988, Econometrica Volume 56, pages 1119-1151) から派生した諸々の実験でも見出されている。が、Smith et al. (1988) においてはファンダメンタルズが被験者に既知の確率分布であるのに対して、我々の実験では球を詰めた瓶がファンダメンタルズであり、確定的であるものの被験者にとって未知の値になっている。ファンダメンタルズの設定が根本的に異なる実験の双方で、類似の傾向が確認されれば、市場メカニズムに関する重要な知見につながる可能性がある。

なお、アンケート調査については、その質問内容について検討を続けたが、実験結果との対応関係について検討の余地が残ったままである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

人を対象とする研究に関わる倫理審査の手続きに手間取り、追加実験への着手が遅れた。そのため、コロナ禍での進行の遅れを取り戻すに至らず。

今後の研究の推進方策

ファンダメンタルズ一定の設定での実験を、さまざまなファンダメンタルズの値について調べる。

ファンダメンタルズが単調増加する場合については、市場価格のファンダメンタルズ価格への収束の良さを左右する要因を特定して行く。

次年度使用額が生じた理由

倫理審査に時間がかかり、当初の予定よりも実験の回数が少なくなった。

学内研究費が一定程度使えたため、科研費に頼る額が少なくなった。

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公開日: 2024-12-25  

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