研究課題/領域番号 |
21K01572
|
研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
竹澤 直哉 南山大学, 経営学部, 教授 (70329332)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | Kalman Filter / アナリスト予測 / tick data |
研究実績の概要 |
令和4年度の業績は学術論文2本と研究報告2件である。前年度に国際学会で報告した内容をまとめた“Exploring Systematic Risk Shocks in the Japanese Equity Market”は、システマティックリスクの変化をリスク測度の変化とし、情報指標(エントロピー量)として捉え、カルマンフィルタで推定し、カルマンゲインでその大きさを測定している。もう一つの論文であるThe Stock Return Exposure to Market Sentiment, Market Return Entropy and Price to Book Ratios in the Japanese Equity Market”では、カルマンフィルタによる市場リスク(ベータ)の動的推定を行い、AR(1)モデルによる長期指標とエントロピー、財務指標であるPBR、そしてアナリスト予測との関係性を産業ごとに明らかにした論文である。また、論文報告は2つ行い、"Systematic Risk Shocks and Analyst Forecasts in Japan"および“Time Varying Beta and Analyst Forecasts”はこれまでの分析方法をTick Dataに対して適用したものであり、セクターによっては関係性が示された。以上からカルマンフィルタから導出される長期的なベータ指標、カルマンゲインから得られるエントロピー量、財務データ、そしてアナリスト予測データの関連性を調べることにより、本研究で分析されている関係が顕著であるセクターを分類することができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
カルマンフィルタから導出される長期的なベータ指標のカルマンゲインを考慮することで、システマティックリスクの変化をリスク測度の変化として捉えたエントロピー量を導くことができた。また、ティックデータ、財務データ、そしてアナリスト予測データの関連性をセクターごとに分類することができている。このことから計画に示された目標を達成しつつある段階であり、おおむね順調に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、研究報告を行ったtick dataによる分析部分を論文とまとめて公表することや行動ファイナンスの枠組みとの関係性を明らかにすることで安定的な投資活動を行う方向性について検討する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍による出張費用の減少分を翌年度に繰り越した。
|