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2022 年度 実施状況報告書

超低金利の下でのマクロ経済問題の動学一般均衡分析と政策評価

研究課題

研究課題/領域番号 21K01577
研究機関一橋大学

研究代表者

中村 恒  一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (80418649)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード量的緩和・引き締め / マクロ動学一般均衡
研究実績の概要

2022年(令和4年)度は、最近の国際金融動向を反映する形でマクロ動学一般均衡分析モデルの構築・改善を行った.具体的には以下の通りである.
最近の現実経済では2022年になって欧米を中心にインフレが一時的でないことが市場や通貨当局によって認識されるようになり、欧米中央銀行は、これまでの長期間にわたる金融緩和姿勢を大きく転換し金融引き締めに転じて、利上げに加え量的引き締めにも着手した.ただし金融引き締めによる景気への悪影響が懸念されたことから、雇用市場動向とインフレ動向の両方を天秤にかけながらの綱渡りの金融政策運営が続いた.その一方で、日本では、インフレ率が欧米ほどには高くなく景気動向も依然として弱含みであることから、金融緩和を継続した.これらの日欧米間の対照的な政策動向を眺めつつ、本研究では2022年度に量的緩和と量的引き締めの両方の金融政策運営を統合的に取り扱う動学一般均衡モデルを構築・改善した.
本研究の当初の研究計画では主に超低金利下の金融政策の研究に注目していたものの、このような国際的な経済動向や金融政策運営の大きな転換を背景に、2022年度の研究ではモデルをその転換に適合するようにシフトした.日本が量的緩和を継続していることに加え欧米では金融引き締めをどれだけ継続できるかが不確実であることを鑑みると、量的緩和と量的引き締めの両方を統合的に分析することは意義深いと考えた.
しかし、2022年度は、コロナ禍が継続していたことから、日欧米での金融政策運営に関する現地調査が完全に延期されて、政策転換動向のデータ分析が未着手に終わり、2022年度の研究実績は理論モデル構築を中心としたものに留まった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

欧米を中心として国際経済動向が2022年以来大きく転換してきたことから、研究の方向性はそのような国際経済情勢に適合する形で修正することを余儀なくされ、さらにコロナ禍が継続していたことから欧米での金融政策運営に関する現地調査・外国出張が完全に延期されたため、政策転換に関するデータ分析が未着手に終わり、2022年度の研究実績は理論モデル構築を中心としたものに留まった.

今後の研究の推進方策

2023年度は、これまでコロナ禍を理由に延期していた欧米での現地調査や、滞っていた海外大学・国際研究会での対面による研究交流を再開し、国際研究集会での論文発表をしながら研究成果を世界に発信して、モデル改善やデータ分析を推進する予定である.

次年度使用額が生じた理由

2022年以来欧米を中心として国際経済動向が大きく転換してきたことから、2022年度以降の研究の方向性はそのような国際経済情勢に適合させる形で修正することを余儀なくされ、さらにコロナ禍が継続していたことから欧米での金融政策運営に関する現地調査や、対面での国際交流を目的とした外国出張が完全に延期されていたため、研究計画・研究費使用計画が遅れた.2023年度の使用計画は、これまで延期していた欧米での現地調査を再開し国際研究集会・海外大学での論文発表やジャーナル投稿・発刊を推進すべく、繰り延べていた使用計画を再開する.

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公開日: 2023-12-25  

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