本年度は、これまでに構築したデータを用いて研究課題に係る発展的内容に取り組むとともに、得られた解析結果を論文としてまとめた。具体的には、準実験的環境下における三次性比の外生的変化が婚姻率等に与える影響を分析した論文をまとめ、査読付き国際学術誌に投稿し、改訂要求を得た。改訂で求められている資料には若干の制約があるが、利用可能な資料から得た予備的な結果は、当該統計解析モデルで望ましいとされる性質を概ね満たしていることがわかった。また、得られた予備的な解析結果は、複数の感度分析に対して頑健であることも判明した。これら結果をふまえて今後の改訂作業を進め、採択まで持っていく。本年度中に査読付き国際学術誌・国際学術書に掲載された論文は2件である。うち1件は、2021年度より査読・改訂を進めてきた論文であり、経済史分野でトップ誌とされる査読付き国際学術誌に掲載された。これは大きな研究業績であると言って良い。査読付き国際会議における本年度中の論文採択件数は3件であり、このうち2件について参加・報告をおこなった。コロナ禍では参加が難しかった対面の国際会議に参加できたことは大きな成果であった。実際に各会議では、研究課題に関連する専門家と議論を行うことができ、そこで得られたコメントをもとに論文の改訂を行う機会を得た。研究期間(2021年度から2023年度)全体を通しての査読付き国際学術誌への掲載件数は5件(うち国際共著1件)、査読付き国際会議報告は6件であった。
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