研究課題
基盤研究(C)
戦争等によって適正な三次性比が崩れた経済では、結婚・労働市場の正常な機能が歪む。本研究では、20世紀初頭の日本におけるパンデミック・インフルエンザをイベントとし、戸籍に基づく包括的な統計資料を用いて、マクロショックが二次性比に与える影響を明らかにした。本研究は、既存研究に比して高い次元・頻度のデータを、準実験的デザインのもとで解析に用いた。解析結果は、理論モデルから示唆されるメカニズムのうち、生存の閾値が固定されている状況下で、暴露が初期賦存の密度関数を下方にシフトさせる場合を支持した。
経済史
本研究は、20世紀初頭の日本におけるパンデミック・インフルエンザをマクロショックとして、それが人口変動に与える短期的影響を明らかにしたものである。本研究成果から得られた学術的知識は、現代における感染症のパンデミックや紛争といった比較的大規模なショックが人口変動に与える短期的影響について、一定の示唆を持ち得るものである。