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2023 年度 研究成果報告書

戦後復興期日本の闇物資流通・取締と民衆:1948年甲府専売支局管内闇煙草の事例

研究課題

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研究課題/領域番号 21K01617
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分07070:経済史関連
研究機関獨協大学

研究代表者

山本 裕  獨協大学, 経済学部, 教授 (10550113)

研究分担者 前田 廉孝  慶應義塾大学, 文学部(三田), 准教授 (90708398)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード日本経済史 / 戦後復興期 / 闇市場 / 煙草 / 専売 / 山梨県 / 日本専売公社 / 大蔵省専売局
研究成果の概要

本研究は,戦後復興期日本の闇物資流通・取締とそれに対する民衆の認識を考察し,双方間の関連性を考察した。戦後復興期の闇市場は非合法的存在ながら物資の供給に不可欠な役割を果たしたが,史料的制約から同市場の物資流通と取締の実態に関する経済史・流通史的考察は立ち後れてきた。そこで,1948年に甲府専売支局が闇煙草の摘発時に作成した『専売取締事件簿』(西南学院大学図書館所蔵)と『山梨日日新聞』・『山梨時事新聞』(1969年廃刊)掲載関連記事より①闇物資の流通,②闇物資取締の実態と限界,③闇市場に対する民衆の認識を考察した。そして,以上の分析より農村地域の自給自足的な闇物資取引の実態を解明した。

自由記述の分野

日本経済史

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究は,商品市場形成の過程と要因を捉え直す試みである。日本では戦時統制期から物資不足と流通不全によって闇市場が自然発生し,戦後復興期まで政府は取締に注力した。違法な闇取引の記録を取引の当事者は取締回避の目的から保存しない。それゆえに,既往の歴史研究は史料上の制約から闇市場の内実に迫ることができなかった。しかし,本研究が用いた取締史料は商品市場の拡大過程を克明に記録している。これら記録の分析より,商品市場の拡大過程は地域内で生産,加工,流通からなる分業構造の確立過程を内在していたことが判明した。こうした分業構造の確立は,域内の自給自足構造と商品市場の拡大に不可欠な要素であった。

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公開日: 2025-01-30  

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