• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

プラットフォームを介したP2P取引における評判の信頼性と嘘の理論モデル解析と調査

研究課題

研究課題/領域番号 21K01626
研究機関東京工業大学

研究代表者

中丸 麻由子  東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (70324332)

研究分担者 辻本 将晴  東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (60376499)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワード進化ゲーム理論 / プラットフォーム / エージェントベースモデル / 共有地の悲劇 / 嘘 / 多属性意思決定
研究実績の概要

プラットフォーム(PF)を介したP2P取引と嘘の情報に関するエージェントベースモデルを構築することが主眼である。R4年度はR3年度に引き続き基礎固めのエージェ ントベースモデルの追加シミュレーションを行った。つまり、プラットフォームが存在しない状況において、人々のネットワーク構造が嘘の噂の広がりと協力の進化にどのように影響 を与えるのかについてのエージェントベースシミュレーションを行なった。社会ネットワーク としては、ランダムネットワーク、格子モデル、スケールフリーネットワークである。結果を整理している。
ネットワーク上の相互作用において、ネットワークを繋いだり切ったりすることはPFを介したP2P取引でも生じている。これについてもR3年度に引き続きR4年度も人々の社会的ネットワークにおけるリンクの切り貼りと協力の進化に関するエージェントベースシミュレーションを行なっている。共同研究者のいる台湾中央研究院にも訪問し意見交換も行なった。 これについては共同研究者を中心にして人を被験者とする実験も行い、実験結果をシミュレーションが説明できていることもわかっている。
PF上で商品などを取引する際に人々は商品のさまざまな属性を見て商品を選ぶ。属性としては値段、品質、見た目などさまざまあり、これを多属性という。人に よって着目する属性も異なるし、選ぶときの判断基準も異なる。R3年度に引き続き、集団で多属性意思決定行う際についてのシミュレーション 研究や数理モデル研究を行ない、論文を執筆できる程度の結果もほぼ揃った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究がやや遅れており、R4中に行う予定であった論文投稿準備が進んでいない。社会ネットワークとして格子モデルを用いて、嘘の噂があるときの協力の進化に関するエージェントベースモデルについては結果を再検討していたりデータを取り直している。令和5年度中には論文を執筆して投稿したい。スケールフリーネットワークについてはR5年中にはデータが揃う予定である。

ネットワークの切り貼りのシミュレーションについてはシミュレーションのデータ整理や追加データを取り、結果の吟味をしている最中である。ネットワークの切り貼りの被験者実験については共同研究者が中心となって論文投稿中である。

集団での多属性意思決定については結果が出揃っており、論文執筆が可能になっているがR4年度は時間が取れずに論文化ができなかった。R5年度に論文を投稿したい。

今後の研究の推進方策

昨年度に引き続き、スケールフリーネットワークでのエージェントベースシミュレーションを行い、成果をまとめ、論文を執筆する。 ネットワークの切り貼りに関するシミュレーションについても論文化を進める予定である。 集団における多属性意思決定についても論文化を進める。
それらが順調に論文化できればR5年度中には、プラットフォームを介したP2P取引における相互作用を組み入れたモデルを構築する予定である。

次年度使用額が生じた理由

令和4年度は今使っているコンピュータでシミュレーションすることが可能であったため、追加購入することはしなかった。学会がonlineで行われているため、 学会に行くための旅費を出す必要もなかった。 令和5年度は、コンピュータの買い替えや論文の投稿費用、可能であれば共同研究の出張費用などで使っていきたい。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [国際共同研究] 台湾 中央研究院(その他の国・地域)

    • 国名
      その他の国・地域
    • 外国機関名
      台湾 中央研究院
  • [雑誌論文] Heuristics facilitates the evolution of transitive inference and social hierarchy in a large group2023

    • 著者名/発表者名
      Doi, K. and Nakamaru, M.
    • 雑誌名

      Acta Biotheoretica

      巻: 71 ページ: 8

    • DOI

      10.1007/s10441-023-09459-5

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] The evolution of cooperation in the unidirectional linear division of labour of finite roles2023

    • 著者名/発表者名
      Nirjhor, Md Sams Afif and Nakamaru, M.
    • 雑誌名

      Royal Society Open Science

      巻: 10 ページ: 220856

    • DOI

      10.1098/rsos.220856

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Evolution of cooperation in a unidirectional linear division of labor when the generalized asymmetric game is played2023

    • 著者名/発表者名
      Nirjhor, MD Sams Afif、Nakamaru, M.
    • 学会等名
      ゲーム理論ワークショップ2023
  • [学会発表] Effects of sanction systems on the evolution of cooperation in the linear division of labor with finite roles2022

    • 著者名/発表者名
      Nirjhor, M. S. A., Nakamaru, M
    • 学会等名
      The cultural evolution society conference 2022
    • 国際学会
  • [学会発表] The evolution of cooperation in the unidirectional linear division of labour of finite roles2022

    • 著者名/発表者名
      Nirjhor, MD Sams Afif、Nakamaru, M.
    • 学会等名
      2022年度日本数理生物学会
  • [学会発表] 社会ネットワークを「切る」と「貼る」ではどちらが協力の進化を促進するのか?2022

    • 著者名/発表者名
      野口由梨香、中丸麻由子
    • 学会等名
      2022年度日本数理生物学会
  • [図書] Trust and Credit in Organizations and Institutions: As Viewed from the Evolution of Cooperation2023

    • 著者名/発表者名
      Nakamaru, M
    • 総ページ数
      318
    • 出版者
      Springer-Nature
    • ISBN
      978-981-19-4978-4

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi