研究課題/領域番号 |
21K01636
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研究機関 | 駒澤大学 |
研究代表者 |
吉田 健太郎 駒澤大学, 経済学部, 教授 (70513836)
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研究分担者 |
川端 勇樹 中京大学, 経営学部, 教授 (00614702)
北村 森 サイバー大学, IT総合学部, 教授 (20814742)
大久保 文博 長崎県立大学, 経営学部, 講師 (00847189)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | アントレプレナーシップ / グローバルイノベーション / 起業学習 / ビジネスエコシステム / 国際比較 / ケーススタディ / 現地化 / 国際起業 |
研究実績の概要 |
2023年度は、研究会における議論の頻度を増やすとともに現地調査と研究報告、論文発表をおこなった。研究会は当該分野に精通する大学研究者4名と実務家5名から構成し、合計13回の研究会をオンラインで開催した。今年度の研究会では、各研究会メンバーの研究内容に関する議論を深めた。また、商業出版にむけて執筆中の原稿内容に対してコメントを出し合いながらブラッシュアップをおこなった。具体的には次の研究目的のもと調査や議論、原稿執筆をおこなった。 本研究は、日本人企業家が生み出す「グローバル・イノベーション」およびその背景にある「アントレプレナーシップ」の実態を調査し、以下のリサーチクエスチョンに対する解を探ることによって、「起業学習」を明らかにすることを目的とする。①現代に起きている「イノベーション先進国」のビジネスエコシステムの仕組み(メカニズム)はどのようなものか。②これからの日本人発のグローバル・イノベーションには、どのようなイノベーション能力が求められ(能力や経験、資源の動員等が必要となるのか)、③そもそも日本人が起こすグローバル・イノベーションとはどのようなもので、どのように創出されるものなのか、日本が抱える本質的な課題は何か、④先進事例から日本が学ぶべき教訓はどのようなもの(どこまで日本に適応可能か)示唆は何か(課題をどのように克服すべきか)。以上を踏まえ今年度は以下についての現地調査を遂行した。 (1)海外の先進的なグローバル・イノベーション(米国、ドイツ、インド)とそれをもたらすビジネスエコシステムの仕組みと政策 (2)日本を飛び越えてグローバルに活躍できる日本人のアントレプレナーシップ(創出されるグローバル・イノベーション)の実態(英国、ベトナム) (3)日本を起点(地方を含む)として国際化の中で貢献できるアントレプレナーシップ(創出されるグローバル・イノベーション)の実態
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は昨年度に比べ頻繁に研究会(オンライン)を開催し情報共有と議論を重ねることができた。コロナ禍が落ち着きを見せ始め移動制限がほぼ撤廃されたため、研究会メンバーによる国内外におえる現地調査が実施された。研究代表は2023年度に在外研究の機会を得て、英国ロンドン大学に赴任し現地で調査研究を遂行できた。またとないこの機会を最大限活かすべく現地の対面で実施されるセミナーに数多く参加し、研究の視野を広げることに努めた。そのため、現地起業家や研究者との人脈を広げることができ、これらが研究活動に生かされた。 アウトプットの観点では、研究会に参加したメンバーとは、研究成果となる原稿の内容に関して活発な議論が行われた。また、研究成果の一部は海外の学術研究リポジトリから発信することができた。 研究進捗の共有と原稿執筆に関わる議論を繰り返しおこなうことで、本研究の問題意識の共有が進むだけでなく、結果的に分析視角やリサーチクエスチョンの改善につながった。その一方で、研究代表の想定外の体調不良により一時海外現地調査を実施できないときもあった。また、研究進捗を積極的に共有していただけない研究会メンバーがいたため、すべてが順調とはいえない。そのため、円滑に取り組めたものもある一方で滞ったものもあることから、「おおむね順調に進展している」とした。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度には、残された研究課題に対して現地調査を行いながら研究のブラッシュアップを図る。そのうえでメンバー全員の研究成果の公表を目指して、原稿のピアレビューを進める。引き続き、英語での論文執筆をおこない研究成果の国際発信にも努める。その後、商業出版を目指し原稿を著書にまとめていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者は、当該年度に在外研究の機会を得て1年間英国ロンドンにて現地調査研究を遂行した。そのため、当初予定していた日本から海外現地調査計画に関わる費用を英国で現地調査を実施することで旅費を大幅に節約することができた。また、研究分担者が予定していた現地調査費を使用しなかった(ただし当該予算ではなく別の予算を使って現地調査自体は実施している)。これらの要因によって生じた差額予算を英国での現地調査費用に使用したが、残額が生じたのはそれ以上に旅費を節約できたためである。 次年度使用額の使用計画としては、国内現地調査費および研究成果の公表に関わる費用として支出する予定である。
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