研究課題/領域番号 |
21K01638
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
中村 吉明 専修大学, 経済学部, 教授 (90803049)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ライドシェアリング / MaaS / コロナ禍 / 自動車産業 / CASE / AI / IoT |
研究実績の概要 |
研究・イノベーション学会第37回年次学術大会において「地域課題の解決方法としてのMaaS」を発表したほか、専修大学大学院政策科学シンポジウムにおいて「カーボンニュートラルと産業」という題名でプレゼンするとともに、パネルディスカッションに参加した。 また開発技術 Volume28に「日本の自動車メーカーのEV・電池戦略」という論文が、専修大学社会科学研究所 月報No.714に「カーボンニュートラルが産業に与える影響-日本の自動車メーカーは競争力を維持できるか」、専修大学社会科学研究所 年報第57号に「日本版MaaSの現状と今後の課題」という論文が掲載された。 特に「地域課題の解決方策としてのMaaS」では、過疎型MaaS(ライドシェアリングを含めたモビリティのサービス化)の国内の具体例をいくつかあげ、採算性が悪いことを指摘した。さらに採算性を改善する方策として、公共的な事業であるため、一定の国、地方自治体の支援が不可欠であるが、その経費を無尽蔵に増大させないため、事業者に効率性を高めるインセンティブを与える制度的枠組みの必要性を明示するとともに、その具体策を提示した。 さらに「日本型MaaSの現状と今後の課題」では、MaaSを都市型、観光型、郊外型、過疎型に分け、その中で国や地方自治体が関与する形態は過疎型のみであるということを概念的な整理をしつつ明らかにするとともに、その処方箋を示した。一般的に競争の中で事業者が効率性を高めていくのが一般的であるが、過疎地域における過度な競争は事業者の撤退を進め、かえって競争性を低める可能性があるため、競争と協調を両立する制度的な枠組みが必要であることを指摘した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
過去の蓄積があり、論文は順調に進んでいるが、コロナ禍で国内調査、海外調査が予定よりも十分できていない。
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今後の研究の推進方策 |
5月に新型コロナの感染症法上の位置づけが5類に変更され、経済・社会が正常化に向けて動き出すので、まずは国内調査、特にインタビュー調査を精力的に進める。さらに海外調査が円滑にできるタイミングを捉え、海外調査を行うこととする。また、ZOOMなど、遠隔でインタビューができる方法も活用する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で国内調査、海外調査等が十分できなかった。 5月に新型コロナの感染法上の位置づけも5類に変更され、社会経済が正常化に向けて動き出すため、比較的進めやすい国内調査を精力的に進める。そしてタイミングを図り、海外調査も試みる。
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備考 |
2022年5月18日の日本経済新聞の私見卓見に「研究開発の成果に国が賞金」という論考が掲載された。
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