本研究は、日本の非金融セクターの全上場企業を対象に、最高財務責任者(CFO)の有無が企業の経営指標に与える影響を、2017年から2021年のデータを用いて実証的に統計分析を行った。主な成果は以下の三点である。第一に、CFOを有する企業の特性を明らかにした。第二に、CFOの存在が株式市場関連の収益率に正の影響を与える一方、総資産利益率や自己資本利益率などの財務諸表関連の収益率には有意な影響を与えないことを示した。第三の成果は、査読付きの内外の学会で発表を行ったことである。発表した学会での研究者達との質疑応答は、次の段階である国際的な学術誌への投稿に向けて貴重な試金石となった。
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