研究課題/領域番号 |
21K01658
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
柴 直樹 日本大学, 生産工学部, 教授 (50226164)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 非協力ゲーム / マルチエージェントシミュレーション / 転売行為 / 展開系ゲーム / イノベーション / マルチプレイゲーム |
研究実績の概要 |
令和4年度においては、非協力ゲームの応用に関連する経営情報学分野での情報収集、マルチエージェントシミュレーションに関連する応用を中心に、関連研究の情報収集を行なった。後者のマルチエージェントシミュレーションについては、意思決定者の相互作用をモデル化し分析できるため、ゲーム理論の応用の1つの候補と考えており、特に経営問題への応用に着目して情報収集を行なっている。 また、経営問題への応用に関する研究として、組織におけるイノベーション促進のための意思決定に焦点を当てた研究を続けており、組織メンバー間の意思決定の相互作用をモデル化しシミュレーションによる分析を試みた。この成果を共著による論文にまとめ海外の学術雑誌(Asian Journal of Management Science and Applications)に投稿したところ、掲載された。さらに、近年、個人によるインターネットを介した希少財の買い占め・転売が社会問題になっているが、この種の転売行為を非協力展開形ゲームとしてモデル化し、ナッシュ均衡(部分ゲーム完全均衡)の存在に関する予備的研究を行い、生産者と転売者との間の情報の透明性や不確実性の有無によって、均衡の存在に違いが出ることを明らかにした。この成果について、令和4年5月に開催された経営情報学会年次大会において、共著による発表を行なった。 加えて、多数のプレイヤーによるマルチプレイゲームにおいて、その評価を左右するとされているランドスケープ評価のためのプラットフォーム開発を行なった。この成果について、令和4年11月に開催された経営工学会の秋季大会において、共著による発表を行なった。より概念的な研究として、多数のプレイヤーの集合としてモデル化されるマルチエージェントモデルの妥当性に関する議論を、共著による書籍の1つの章として発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定していた国内、海外での学術会議への参加による情報収集をようやく開始できるようになったが、昨年度、新型コロナ感染症による旅行制限のため、これらの情報収集活動が行うことができなかったことによる影響が未だ十分に挽回できていない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和5年度には、海外も含めた学術会議への参加が令和4年度に増して可能になると予想されるため、旅費を活用し、情報収集と研究成果の発表を行う予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究初年度(令和3年度)に計画していた、情報収集のための国内、海外での学術会議参加のための旅費の支出が、新型コロナ感染症による旅行制限のため行うことができなかった影響が残っている。令和5年度は、当該感染症による旅行制限は緩和されると予想されるため、学術会議等への参加により情報収集および成果発表を行い、次年度使用額を支出する予定である。
|