研究課題/領域番号 |
21K01691
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
北居 明 甲南大学, 経営学部, 教授 (30278551)
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研究分担者 |
多湖 雅博 京都文教大学, 総合社会学部, 講師 (00784159)
古田 克利 立命館大学, テクノロジー・マネジメント研究科, 准教授 (20612914)
島田 善道 公立鳥取環境大学, 経営学部, 講師 (50824447)
西之坊 穂 摂南大学, 経営学部, 准教授 (80780163)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 解決志向 / コミュニケーション / 職場 / 尺度開発 |
研究実績の概要 |
2021年度は、研究グループで研究会をZoomで開催し、問題意識の共有を図り、各自に取り組むべき研究課題を考えていただいた。解決志向/問題志向コミュニケーション尺度は、インターネット調査会社を通じて収集したデータを用い、妥当性と信頼性の検証を行った。その結果、満足できる水準の内的信頼性、およびコーチングにおける先行研究とほぼ同傾向の結果が得られた。また、他の解決志向に関する尺度との弁別妥当性も確認され、われわれが開発した尺度について、妥当性と信頼性が得られた。信頼性と妥当性のある尺度開発に成功したことで、今後様々な研究に用いることが可能となった。さらに、先行研究とは異なり、日本の社会人に対しても解決志向コミュニケーションの有効性が確認された。もちろん、これから更なる検証を行う必要があるが、このことにより介入研究への道が開かれたと考えている。 なお、以上の研究成果は3月に行われた国際学会(INTERNATIONAL CONFERENCE ON BUSINESS, ECONOMICS AND INFORMATION TECHNOLOGY: ICBEIT 2022)で報告が行われた。発表者は、研究代表者と研究分担者の一人である島田善道氏(公立鳥取環境大学経営学部・講師)である。発表テーマは、"RELIABILITY AND VALIDITY OF SOLUTION-FOCUSED AND PROBLEM-FOCUSED COMMUNICATION SCALE IN WORKPLACE"であった。発表に対してフロアから好意的な意見をいただいただけでなく、解決志向あるいは問題志向がより有効になる条件についての質問がなされ、今後の重要な研究課題であることが認識された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の計画は、日本の社会人にも適応可能な、解決志向/問題志向コミュニケーションに関する信頼性と妥当性のある尺度開発であった。インターネットを通じた大量サンプルに基いた検証により、上記の目的が達成されたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、解決志向/問題志向コミュニケーション尺度に関連する変数を抽出し、仮説検証型の研究を通じて関連を経験的に検証していく予定である。具体的には、解決志向/問題志向が影響を与える従属変数および媒介変数、解決志向/問題志向の効果に影響する調整変数の探索である。 さらに、組織開発によって解決志向/問題志向コミュニケーションに影響があるかどうかを検証する介入研究、あるいは解決志向コミュニケーションを活性化するための新たな介入方法の検討も行う。すでに我々の研究に関心を向けている企業もあり、そうした企業の協力の下、上記のような介入研究を進める予定である。さらに、国内での研究で有効性が確認されれば、国際比較研究も進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は、複数回の研究会を対面で行う予定だったが、すべてZoom開催になった。また、国際学会への参加もZoomであり、旅費が当初予定よりも大幅に余る結果になった。今年度は、インターネット会社を通じたデータ収集に費用がかかるだけでなく、介入研究に伴う旅費および雑費、さらに介入状況を記録する媒体(ICレコーダー、ビデオなど)に使用する計画である。もちろん、関連図書の購入も引き続き行う。
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